ファミ通編集長などを務めた著者が、ゲームを通じて息子とコミュニケーションをとる様子、そして、その間に「ゲーム脳」などテレビゲームと教育に纏わる問題について語ったものが挿入される形で構成されている。
読んでいて何よりも感じるのは、著者親子のやり取りが微笑ましさ。まだ漢字の読めない息子のために『マリオストーリー』のキャラクターの台詞を全て音読してしまった著者。仕事でなかなか早く帰れないが、会社でちょっと時間が出来ると息子に電話をし、一緒に『FF11』の冒険に出掛ける。対戦ゲームに一緒に興じ、最初は余裕だったのが少しずつ追いつかれてくる。その様子に頼もしいと感じながらも、親の威厳を守るためにズルい手も使ってしまう…などなど…。ゲームを使って、非常に良い親子関係を築いている、と言うのが伝わってくる。
実のところ、本書を読んでいて思い出したのが『テレビゲーム教育論』(マーク・プレンスキー著)の中で訴えられる「まず、親がテレビゲームの世界に飛び込んでみるべき。そうすれば、ゲームをやる人の考え方が理解できるし、また、それを通じてコミュニケーションを取れるようにもなる」と言う言葉。まさしく、本書に書かれているのは、その実践例だと思えるからである。それは、「ゲーム悪影響論」に対して著者の発する「ゲームに対する無理解がある」と言う言葉とも共通する。
「テレビゲームは絶対に与えるな」「テレビゲームをしていたら、問答無用に取り上げる。そうすれば問題は即解決だ」と言う森昭雄氏や岡田尊司氏の著書と、本書、両方を読み比べて欲しい。そして、どちらが良い親子関係を築けるか考えて欲しい。
ゲームについて危惧を抱いている人にこそ、読んで欲しいと感じる書である。