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12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
『イノベーションと起業家精神』の現代実践版,
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レビュー対象商品: ゲームの変革者―イノベーションで収益を伸ばす (単行本)
本書は、P&Gのイノベーション戦略・実践を事例として前面に押し出しつつ、体系的なイノベーションの方法論について解説しています。イノベーション関連の書籍は、方法論メインのものと事例メインのものに大きく分かれているように思えます。方法論メインのものは体系的ではあるのですが、実践でどのように適用すればよいかがわかりにくく、事例メインのものは実践でのヒントは多いのですが、それらをどのように効果的に組み合わせればよいかがわかりにくくなっています。 本書は、方法論メインと事例メインの書籍の良いとこどりをしていますので、体系的にも実践的にも活用しやすいものとなっています。 また、企業経営とイノベーションを整合させていますので、企業経営という観点からもイノベーションという観点からも、確かな知識・視点を与えてくれます。 そうなっている大きな理由は、P.F.ドラッカーの『イノベーションと起業家精神』をベースとしているからだと推察します(実際に引用が数多くなされています)。ドラッカーは、企業の第一の目的は『顧客の創造』であると述べ、重要な企業活動は『マーケティング』『イノベーション』『生産性』だと述べています(『現代の経営』より)。本書で提示している方法論もP&Gの事例も、まさにこの原則を忠実に踏襲しています。また、イノベーションは人のつながりから生まれるという重要な知見も、人を中心に経営を考えたドラッカーならではのものでしょう。 改めてドラッカーの凄さを認識させられると共に、それを忠実に実践してイノベーション・成長を続けているP&Gの凄さも認識させられます。 更に、インターネットの活用、オープンイノベーションの推進など、ドラッカーをベースとしつつも最新のテクノロジーやイノベーション手法を取り入れた事例を紹介しています。まさに『イノベーションと起業家精神』の現代実践版だといえます。 これだけ有益な本書ではありますが、活用される際には幾つか留意点がありそうです。 まず、事例がP&G、GEなど世界を舞台に活躍している一流企業であるということです。イノベーションを経営の中核に据えてからの成長物語は確かに素晴らしいのですが、それ以前からも顧客志向であったこと、世界中から優秀な人材を採用し、育成&選抜を経てリーダーや専門家になった人々が数多く集まっていること、イノベーションに膨大な投資が可能であること、といったこれらの企業ならではのアドバンテージがあります。ですので、この域に達していない企業が本書の通りのことを行ったとして同じようなイノベーションを生み出すことのできる保証はありません。イノベーションの前に適切なマネジメントが求められるようにも思えます。 次に、方法論も事例も、実施して失敗したこと、実施しておけばもっと上手くいきそうだったこと、については記述されていません。また、イノベーション企業に生まれ変わる過程で生じた重要な摩擦・抵抗やその対処方法についても記述されていません。 方法論はどれだけ素晴らしくても方法論ですので、全ての企業に同じように適用できるわけではありません。またP&Gも独自の環境・強み・課題のうえで本書で記述されたような対応をしています。 本書の知見を更に有効に活用するために、このような切り口での情報提供があれば更に有益なものになったのでは、と思います。 このあたりを留意しながら活用されるとよろしいのではないでしょうか。
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5つ星のうち 5.0
すべてがコモディティ化する世界でいかに希望を作り出すか?,
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レビュー対象商品: ゲームの変革者―イノベーションで収益を伸ばす (単行本)
イノベーションを持続的に達成していくことのできる組織を作るための方法論についてのテキスト。P&G研究の最後にこの本を読んだのだが、他の著作を読むよりも先にこの本を読んでおけばよかったと感じている。 あらゆる財・サービスがコモディティ化する現代において、イノベーションを持続的に達成できることは、独占を認めないことになっている資本主義社会で生き残るために必要不可欠であることを痛感する。 イノベーションの組織と文化は、その組織に携わる人たちの間に、浮き沈みの激しい経済状況の中で生き残っていける期待と自信を生み出すだろう。 その期待と自信は、すべてがコモディティ化する世界で生きていく人びとの未来に対する希望を生む。 そういう意味では、現代を生きる個人に期待を持たせるための組織の作り方と読み解くことができるだろう。 私もこんな組織で希望を持って働きたかった。 良書だが、データと事例に乏しいところがある。 あくまで方法論の著書だが、企業トップの著作で経験に依拠した感情的論述から距離を置いた叙述スタイルにはとても好感を持った。
3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
気付きを促してくれる本。Consumer is boss この言葉を心に刻みたい。,
By マイク島田 (世田谷区下馬6) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ゲームの変革者―イノベーションで収益を伸ばす (単行本)
官僚的になりがちな、巨大企業を蘇生するヒントはイノベーション。それを可能にするのは、Consumer is boss(消費者がボス)という考えが組織内に浸透されている背景がある。ということがよく解説されていると感じた。イノベーションを起こそうとしても社内の各組織、部署の思いが交錯してことが進まない、コンセプトがチグハグになる事が多いのが私自身、企業人としての実感だがConsumer is boss(消費者がボス)を理念にすべてに対処することが出来れば内部での議論もシンプルかつ迅速に進むだろうと読み終えた今、つくづく感じている。ただ、そういう理念で一環して事業を進めていくにはマネージメントのリーダーシップが欠かせない。それも強い意志をもって組織全体にこの考え方を鼓舞し続ける必要があると感じる。腹のそこからConsumer is boss(消費者がボス)とトップマネージメントが考え、組織構成メンバー全員も同じような理念を持てるか。それを考えるといかにA.G.ラフリー、そして彼が率いるP&Gが凄い組織かが分かる気がする。それだからこそ彼らは成長し続けられる。読んで気づきを得られて満足感にひたっていたが、これを実践するのは並大抵ではないだろう。と天を仰ぐ気分。学べることは、多い本。より深堀されたい方には、シュンペータや、ドラッガーの著書にも立ち戻られるといいのかもしれません。
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