ゲームには暴力的・性的な表現が含まれるものもあり、一部のマスコミや有識者に「有
害である」と指摘されたりすることもあります。しかし、本当にそうなのか、具体的に
どのように有害であるのかといった議論があまりなされずに、本当に有害であると聖書
の文言のように流布しているようにも思います。
本書では多角的に様々な観点からゲームと暴力の関係について調べていますが、暴力的
なゲーム・性的なゲームをするから暴力的になったり、性非行に走ったりするような単
純な話ではないとしています。その他の要因のほうがゲームの要因以上に問題であるこ
ともしばしばです。
さらに、猟奇的な事件の犯人がアダルトゲームやアダルトビデオを多数所持していたり
すると、こぞって「それが犯罪に至らしめた」とオニの首を取ったかのようにセンセー
ショナルに報道されたりすることもあります。また、最近では、アダルトパソコンゲー
ムである「レイプレイ」の問題が取り沙汰され、これが暴力や性犯罪を誘発するのでは
ないかとヒステリックに叫ばれ、規制がされたり、自主規制に踏み切ったりすることも
ありました。心情的には、ゲーム→暴力、としたい気持ちは分からないでもないのです
が、それは何らかの個人的な価値観に基づいた考えであり、科学的には何ら証明されて
いないものです。そういう中で規制をしてしまうと、もっと大事なものを見落としてし
まうことになってしまいます。
色々な事例やインタビュー、事件、研究が本書では載せられていますが、大事なのは1
回のセンセーショナルな事件をことさらに取り上げ、相関関係を因果関係に誤解し、根
拠なく反対・規制するのではなく、クリティカルシンキングを持って、科学的にそれは
本当か?ということを常に問い続ける姿勢が大事であると本書を通して学べたと思いま
す。