ニーチェのアンチクリストの超訳『キリスト教は邪教です!』(数年前に読んだ)の著者の最新刊。
とても読みやすいので、2時間もあれば読了。ただし提起されている問題は根源的。
B層とは、年収ではなく知的能力で分類された、「扇動されやすい」大多数の人たち。
小泉(功罪両方あると思うが)の馬鹿にも分かりやすいワン・フレーズ政治(もちろん広告代理店などがB層をターゲットとして青写真を書いている)に始まり、いかに最近の日本が衆愚政治の道を突き進んできたかも解説。
常識的に考えれば、日本の政治家の質が低いのは、有権者の質が低いからに他ならない。
では、教養(単なる知識の集積とは違う)家の代表格のゲーテはどのような時代を生き、どう先人や歴史に学んだか。ゲーテに割かれるページは多くないが、偏頗に観念的で不自然に人為的な「戦後教育」で伝統や歴史から切断された我が国の昨今の風潮とは正反対だ(戦前・戦中のそれはそれで問題あると思うけど)。他には『大衆の反逆』のオルテガ・イ・ガセットが予見した未来など、いろいろ引き合いに出されており、最後まで飽きない。
筆者曰く、「民主主義と議会政治はその歴史的流れからして別系統」。
私も長らくこれを混同していた。
本書は入門編として書かれたようなので、戦後教育なら日教組やWGIP、民主主義の語源であるデモス(大衆)によるクラティア(支配)がギリシャ時代にどう捉えられていたか、そしてその後の思想的な流れに興味がある方は文春新書の長谷川三千代でもどうぞ。
保守主義の大家としてはバークという思想家がいるそうだが、まだ読んだ事が無いので私にはなんとも。