私はこの作品を通勤の電車の中で一気に読み切った。
長い作品ではない。しかし、しりあがり寿氏の天才を再確認させる傑作で
一話目から私を引き込み、違う世界へと連れ去ってしまい、最後まで
私を離さなかった。そう、読んでいる最中、私は通勤電車の中にいることを
忘れ去っていたのだ。この作品は意味ありげであり、意味なさげでもあり
個々の作品が独立しているようで、結びつき関連しあっているような
不思議な仕掛けやトリガーがたくさんちりばめられており(ロボット=誰それ?等)
読後も、いろいろこの作品の真のメッセージや物語についていろいろ妄想させてくれる。
広がりがあるのである。しりあがり寿ファン必読の作品である。
本のデザインも実に凝っていて、全体に編集者のセンスの良さがかんじられる。
「増刷不可能の完全限定本」などと帯にあるので、ファンなら早期購入を
おすすめしておきたい。文学性とナンセンス性の高い、しかし重くせつない傑作だ。