初めて、花村萬月さんの小説を読んだのですが、正直侮っていました。
プロフィールとペンネームから、世俗的な小説家かと思っていたのですが、この文章力!圧倒的な存在感!
描写されているのは、倒錯的とも思える虐待や性行為が多く、好き嫌いが分かれるところだと思うのですが、描きたかったのは、もっと先にあるものだと伝わりました。
存在というもの、神というもの、観念を突き破る衝動の不思議、どういうアプローチをして、悟っていくのかは人それぞれで、この主人公の青年は修道院という檻の中で、その中でしか通用しないルールの中で、自我に目覚めていく。
頭脳が明晰すぎると、常識にくるまれている安心感はもてず、その外にあるものまで見えてしまう。
登場人物がなぜかリアリティがあり、怖い。でも、抗えない力がある。