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--なぜ地底なのか? それはイスラーム神話をモデルにこの世界が構成されているからだろう。
イスラーム神話では、人間に地上の支配権があるかどうかで神と堕天使イブリースが袂を分かっている。そして終末に、罪深い人間は地底に落とされる。
この作品でもそれを取り入れている。第八章でも分かるように、神話体系を元にアレンジされた独特の世界が、歴史から衣食住のレベルまで、実に緻密に規定されているのだ。
上面や、見た目の印象だけでこの作品の世界観を語ってはいけない。
魔法の名前は「放ち葬る炎」など、雰囲気のあるものばかり。そこに英語表記が付記されているのは、むしろ馴染み易さも考慮した親切心からだろう。
西洋のモンスターもあるのは、地底に落ちたきっかけに、西洋の吟遊詩人の怨念があったからだ。
--こうして、「アラビアン」の雰囲気に幻想的な設定を付与した「異国感」を私は感じた。素材そのままのものを出しても意味はない。美味な所はそのままに、修飾が必要なところは大胆にそれを取り混ぜる。
そういった試みに、この作品は成功していると思う。地上をめざす冒険を包括した舞台として。
最後に、この作品は「連撃」等の戦闘システムも秀逸である。興味のある方は是非一読を。
華麗なコンビネーションで敵を追い詰める『連撃』や、一発逆転を狙える『カウンター』など戦闘はよりスリリングに。シティーアドベンチャー部でも技能に『拷問』や『枕事』(色仕掛けの事です)、裏家業に通じる『裏知識』といった少しばかり黒い部分が導入されていて、PCとGMの駆け引きもよりスリリングに?
しかしながら正直な話、本書だけでは『かけだし』な感は否めないですね。術技(職業)や闘技などのコンボは未知数だし、記載されているアイテムは物足りなさを(防具に関しては特に)感じてしまいました。
とは言え、これがゲヘナの全てではない! 2004年一月にはサブリメント1も出て、この世界はますます広がっていく事でしょう。
改めて、本書はあくまで『入門書』です。気になった方はグループSNEのホームページを覗いてみるのもいいかもしれません。
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