この作品は中学か高校のころ一回読みました。
で、今回映画化を良い契機にもう一度読んでみました。ずっと気になっていた作品でした。
昔読んだときは、とにかく読むのが辛い作品でした。
前半の高慢なゲド、影に脅えて逃げ回るゲド、そしてラストの寂しい結末。…なんでこんな苦しい感情を呼び起こされながら読まなきゃならないんだろう、と文句を言った覚えがあります。
それでも、何故か心の片隅からずっと抜けずにいて、いつかまた読み直したらどう思うか知りたいと思っていました。
今回読み直して、とてもすごい作品であることに気付きました。
高慢だったり、脅えて逃げたりするゲドの姿、これを見て苦しく思う自分、それこそが自分の影でした。
自分は、昔初めて読んだときは、影から逃げ回るゲドそのものになってしまっていたんだと思います。そして影と向かい合うことが最後まで怖くて、「怖い本だ」という感想を持たざるを得なかったんだと思いました。
私は、成長というものが、もっと楽しいものだと子供の頃は思っていました。でも、それは違いました。影を受け入れる=成長する、ということは、かっこいい冒険や派手な祝い事などではなく、もっと切実で追い詰めるような状況でやっとひっそりと出来ることと言うこと。大人になった今は、そんな事を感じます。
もしも子供に読ませるのなら、自分がオジオンのようになれるよう努力していきたいと思う、もしこのレビューに興味を持った貴方が子供で、読んでみようと思っているなら、頑張って最後まで読んで欲しいと思う、何故なら自分の場合はそれがあとですごく心の糧となったから。もしも大人の人が読むのなら、「自分を変えられてしまうかもしれない」という勇気を持って読んで欲しいと思います。