水木しげる、赤塚不二夫、手塚治虫というあまりにも有名な漫画家の父親をもった娘達の鼎談です。
一番良く喋っているのは、手塚氏の長女るみ子さんでしょうか。
赤塚氏の一人娘赤塚りえ子さんは、お父さんとお母さんをほぼ同時期に亡くし、フジオ・プロの社長も引き継ぐという状況にあったようです。
赤塚氏は、漫画と現実の区別のないような生活振りで、りえ子さんのお母さんとは既に離婚。後妻の方がフジオ・プロの代表を務めていましたが、彼女の遺言でりえ子さんが後継者になります。
赤塚漫画もそれほど熱心に読んだこともなく、それこそ父親の顔も知らずに育った娘が、父親の全作品群を引き継ぐことになりました。それも社長として。
りえ子さんの助けになったのが、水木さん、手塚さんであったようです。
水木悦子さんは、ずっと水木プロで仕事をされています。りえ子さんは、水木さんに相談したりしたようです。
るみ子さんは、手塚治虫氏の生前は娘としての立場を嫌い反抗し続けていましたが、お亡くなりになられてから、遺族として手塚治虫の業績を伝えようとフリーで仕事をしています。
その姿にりえ子さんは自分の進むべき道を悟ったようです。
結びつきの強い3人。立場も良く似ています。
読んでいてはっとしたのは、有名人の子供というのは周囲の人からの好奇心という強いプレッシャーを浴びせられているのだということです。
何事につけ、親と比べられる普通の人間。これは結構辛いと想像できます。
るみ子さん、りえ子さんは、お父さんがお亡くなりになってしまって、父親のことを知るのに、作品を読み込むと語っておられます。
娘とは父親の作品を最も深く読み込んだ評論家なのかもしれない、と思いました。
娘にとって有名な父親は、幼い頃は自慢のようです。
有名な作家は、それだけで公人のような立場で常に仕事の仲間やファンが取り囲んでいます。思春期の頃、自意識が芽生えてきた子供にとってそれは少し哀しい状態なのでしょう。
3人娘が選んだ一押し作品も掲載されています。
水木しげる、赤塚不二夫、手塚治虫の意外な側面を知ることができます。