「プライベート・ゲイ・ライフ」でデビューした著者の集大成。ゲイという立場で十数年間執筆してきた著者の間断のない思考をかいまみることのできる本。思考というと若干観念めいたものに聞こえがちだが、すべては、今ここに存在している一人の人間の具体的な欲望と向き合うところから出発しており、それに対する分析や態度が、時に鋭く、時に人間臭くて面白い。またゲイ並びに様々なマイノリティを取り巻く状況に対する鋭い指摘には説得力があり、数々の改善を促すが、その口調が毒を含ませながらも、全く強権的でないのが著者の持ち味。状況判断にも長けた著者には、これからもジャンルを越えて執筆して欲しい。