ケータイ小説の黎明期からかかわった著者による、ケータイ小説の歴史を書いた本。
一時期ほどのいきおいはありませんが、ケータイ小説が売れていることは知っていました。本屋で立ち読みして、すぐにやめてしまいました。ちょっと、わたしの好みではありませんでした。
それでも、ケータイ小説が何者であるかぐらいは知っておいて損はないだろうと、この本を読みました。
結論は二つ。ケータイ小説は仕掛けられるものではない。ケータイ小説はライブである。
自分なりに理解したことを書くと、こういうことです。
(1)きれいな広場ができた。(魔法のiランド)
(2)そこで自作の歌を歌う人が出てきた。(自分の体験を小説にしてケータイのホームページにのせる)
(3)立ち止まって聴く人が増えてきた。(ケータ小説の読者)
(4)歌い手は観客(読者)の野次に嫌気がさして、やめようと思うこともあるが、逆に励まされることもあり、歌(小説)をつづけた。
(5)しだいにライブはもりあがってきた。
(6)聴いた人のなかから、業界に、CD化してほしい、とねじこむ人が出てきた。
(7)歌(小説)はCD(本)となり、爆発的に売れた。
(8)映画化され、それを見て、CDを聴く人も増えた。
こんな経緯をたどって盛り上がったのがケータイ小説である。したがって、業界側から仕掛けて、こういうホールを確保し、こういう歌手を呼んできて、こういう設備、こういう演出でやれば、次々とヒットを出せるに違いない、という発想は間違っている。
この本を読み終わった今でも、ケータイ小説を読む気にはなれませんが、入門書としては、わかりやすく、好著でした。