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しかしその認識を、あくまで「感情」論をベースにしてエッセイ風にでもつづってくれればよかったのですが、この本では、そこに無理矢理「論理」の衣を被せて、科学風・学問風を演出しています。その結果、じつに胡散臭い「エセ研究書」になってしまっていると言わざるを得ませんね。どのページを開いても、非論理的・非科学的・非学問的な短絡と飛躍に満ちている。加えて著者は、そもそも若者文化に対する観察が足りていない。
たとえば……
■ ルーズソックスや、靴のかかとを踏んで歩くことが、「私的空間から公共の場に出ることの拒絶」だと著者はいう。でも、後者についてはわからなくもないが、ルーズソックスは完全に「オシャレ」の一種であって、人に見せるために履いてるわけでしょ!!(笑)
■「ケータイでメル友と交信する時に、字を用いずにアイコン(絵文字)だけで十分用が足りる」って、……そんな若者いません!!(笑)
■ たかだか「論理パズル問題の成績が悪い」というだけのデータをもとにして、「専業主婦は社会的かしこさが低い → ゆえに専業主婦は子供に悪影響を与える」などと結論する。なんて差別的な!!(怒)
そういえば月刊『諸君!』という雑誌で「今月の新書完全読破」という凄まじい企画を続けている宮崎哲弥氏も、本書を「今月のワースト」に選んでいましたね。
とにかく研究書としては飛躍と穴だらけ。エッセーとしてもステレオタイプトで平凡。何の説得力も持たない本だと思います。ただし念を押しておきますが、著者はおじさんとしてはいい人だと思う(笑)
たとえば4章における実験において参加者が何回実験に参加したのか、という点だが、それは後藤氏が指摘するような25人のグループを二つに割ると一人余る、という程度を超える矛盾がある。彼の記述は(当然)一人一回ずつ実験に参加したことを示しているが、彼の挙げる各行為選択のパーセンテージから人数の実数を計算すると0.5人といった数字になってしまうのである。この著作の問題は無論こうした数字のでっち上げ(ないし重大な記述ミス)以上に杜撰な論理構成にあることは他の評者の言うとおり。
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