手元に優れた技術や特許があっても、それを活かすビジネスの仕組みがなければ、技術は価値を生まない。MOTの本質は、「技術」や「特許」にあるのではなく、技術を利益に変換するビジネスモデルのデザイン(設計)にあると指摘する。アファー(Afuah, 2004)は、ビジネスモデルを「儲けるための仕組み」と定義しており、ビジネスモデルの概念のもとで、経営戦略についてバーニー等の提唱する「資源ベース視角(RBV:Resource Based View)論」とポーター等が提唱する「ポジショニング論」の統合を目指している。本書のビジネスモデルの定義は、「顧客の満足を目的として、技術やノウハウを利益に変換する仕組みの構築」としており、VRISA分析(顧客価値、希少性、模倣可能性、代替可能性、専有可能性)を駆使して各種事例を分析した本である。
ただ、全体の評価を総じて言えば、「分析ツールとして十分使えるけれども、これが完成形だとは思えない」といったところ。