シリーズとしての特徴
ケースブックで問題にしなければならないのは、判旨の引用と付属の問題・解説だと思います。
判旨の引用については、百選が紙面が限られ、中途半端なものも散見されるのに対し、
ケースブックではそのようなことはなく、事案に合わせた判旨の引用がされていると感じます。
次に、付属の問題・解説については、あくまで判例の理解に留まるものとして
取り組む程度のものではないでしょうか。考えさせられる問題としては、
事例研究などにはどうしても及びませんし、もともとそのような趣旨で作られて
いるものでもないと思われます。問題の難易度も幅があります。
第4版としての特徴は、網羅した判例は平成21年11月26日までとなり、
平成20年9月10日判例などが収録されたことが大きいです。
行政法は特に動きの激しい科目ですから、今までの版を持っていない人は、
充分購入する価値があると思われます。
なお、取り上げている判例の範囲は百選が最判ばかりなのに対して、ケースブックは
その事項を理解する上で重要な下級審判例が豊富に取り上げられている点も見逃せません。
最後に、この手の本はいつも思うのですが、百選の番号すぐにわからないことから
星ひとつ減です。そりゃ確かに出版社違いますから、権利の問題で書けないのかも知れませんが。
使いやすさへの配慮を期待したいところです。