本書の8つの構成概念とは(以下、コメントは本書の内容のごく一部です)、
1、変えられないもの
過去と他人は変えられないとよくききますが、
例えば、現実の親を変えようとこだわるより、
内在化された親(インナー・マザーとか)にこだわり、
責める親(超自我)をおだやかな暖かいものにゆるめてゆく試みをしたほうがよいようです。
他に、気質、遺伝的な要因、病気や中毒の不可逆的要因、性別などの身体的現実、変えられない現在の状況、
個人史など。
2、発達的な問題
人は「固着点」へと「退行」する…
人は過大なストレスを受けると、現在の状況に似ていると感じる幼い頃の
問題への対処方法(固着点、退行点)に逆戻りする傾向があると言います。
(欲求不満とか困難に陥ると大人が突然に幼児的な反応をしてしまうことがあります)
著者は、早期の課題が乳児期に適度に乗り越えられているときでさえ、大人になってからのストレスは
早期の課題を活性化しうるという見解を紹介し、支持しています。
3、防衛
防衛については、各気質の用いやすい各種の防衛方法などを含め、前著『パーソナリティ障害の診断と治療』に
たいへん詳しくのっていますのでそちらもおすすめです。
自分の防衛方法への気づきは回復のための大きな
要素のようです。
4、感情
感情に気づき表現することの大切さなど…
5、同一化
6、関係のパターン
7、セルフエスティーム(自尊心)
教えることはクライエントの心を傷つけやすい、
セルフエスティームを傷つけることなく
クライエントに必要な情報を与える具体的なアプローチ(著者自身が使う語りかけの幾つかの例)がのっています。
セルフエスティームの基盤を一つに限定するのでなく、その
基盤を広げてゆく有効性など…
8、病気の原因となる(歪んだ)信念
無意識の考え方(信念)への気づきなど
一般の方は、前著『パーソナリティ障害の診断と治療』
を先に読まれるほうがわかりやすいかもしれません。
私のような素人でも、それなりに読めるし、
著者の深い人間理解と暖かみのある文章に助けを得られる場合があるように思い、
この分野にご興味のあられる方に広く推薦させていただきます。