仕事柄、フィルムスキャナを使う場面が多くあります。もっと高価格の製品を使った経験のある人は、この製品をいわゆるスキャナだと思わない方が良いと思います。手軽にフィルムをデジタル化する、デュープ専用の簡単なデジカメ、という感じの商品です。実際、SDメディアに記録すると、DCIMフォルダができててデジカメ的です。
使い勝手は、なかなか「手作業的」で、慣れればかなりすばやく進められます。「造り」にも操作感にも、いろいろアバウトな部分があり、神経質な人には薦められません(長手方向に若干切られてしまうのは特に残念です)。仕上がりは、価格を考えれば立派なもので、フィルムをデジタル化する、という用途にはとりあえず十分です。ただ、35mmのフィルムから情報をとことん引き出す、というような用途には、当然、まったく役にたちません。それぞれのカラーの色調をほどよく反映させて、適度に甘い(ピントがちょっと甘くなり、諧調もやや乏しくなります)データが、あっという間に入手できます。特に白黒はPC上で処理して、白黒写真らしくする必要はありますが・・・。
そこから、この商品はまず二種類の人にお勧めできます。まず、フィルムカメラの写真をとにかく細かいことは別にしてデジタルにしたい人、次に、ネガ:ポジの内容を確認しながら、何を大きく焼く、または精細なデータとしてデジタル化するかを気軽に確認したい人。場合によっては、もっと情報があることはわかっていても、ちょっと甘いデータがかえって好みの人もいるかもしれません(写真によっては自分もそんな傾向があります)。
いろいろ欠点ととられるようなことを書きましたが、総合的には価格以上によくできた、少しの慣れで使い勝手のよくなる、なかなか良い商品だと思います。画質など、過剰な期待をもたなければ、逆にお買い得感が生まれるはずです。