デジタルアンプに対してオーディオマニアの方やオーディオ評論家の方々の意見は芳しくないことが多い。たしかに、音が冷たい。薄っぺらいといったことがあるかもしれない。だが、最新のデジタルアンプは、とにかく音の透明度が良くSNが非常に良い。解像度も良く、いままで聴こえなかったような細かな音が出る。それがこのプリメインアンプだ。このSNの良さは恐らくアナログアンプでは出せないだろう。そうとう高級機のアナログアンプでしか得られないことかもしれない。
この値段と大きさで、この音は非常にお買い得である。ClearAモードだと10W+10Wまでの出力しか得られないが、本格的なオーディオルームでのリスニングで無い限り一般的な6〜8畳までの部屋だと十分な音量が得られる。このClearAモードをONにするとさらに細かな音が聴こえてくる。さらにKENWOOD独特の高域補間技術SupremeEXがデジタル伝送で失われた高域を補間してくれている。AUX入力の外部アナログ音声にはこのSupremeはOFFになるが、それでも、とても綺麗な音を出してくれる。どちらかと言うとこのアンプはデジタル入力で使うのが良いのだが、アナログ入力も非常に綺麗な音だ。適度な音場も形成され、TVの音やFMラジオの音も非常にSNの良い音だ。特にTVアンテナ75Ωの同軸ケーブルを分配してそれをFMアンテナ代わりにすると、FMラジオの音がCDと同じくらいのクオリティになる。FMラジオとは思えないほどのクオリティだ。
このプリメインアンプはマンション住まいの方や小部屋でのちょっとしたリスニングにはもってこいのアンプだ。大音量で本格的なオーディオルームで聴くにはちょっとパワー不足な面もあるかもしれないが、その分を犠牲にしても、音質を向上させている。今後ビクターと経営統合したKENWOODがもっと高級機種のデジタルアンプを投入してくることが楽しみだ。この値段でこの音だから、もっと高級機だとどうなるのか?と思えてくる。はっきり言って、私は個人的にアンプはこのKENWOODで十分使えると考える。これ以上のクオリティ向上ってあるのと思えるほどだ。後はスピーカーのグレードアップだろう。
学生や新社会人やマンション住まいの方、サブシステム、台所でのリスニングにはマッチする。このプリメインにちょっと高級なCDプレイヤーを組み合わせると、もう買い替えをしばらくしなくても良いのではないか?
安価な値段から最初は馬鹿にしていたが、音を聴いてびっくりするのは私だけではないはずである。デジタルアンプ技術の向上は、アンチデジタルアンプ派の方の凝り固まった考えをますます脅かすのではないかと思う。数百万のシステムを持っている人にこのプリメインの音を聴いて欲しい。ますますオーディオの音のよさは値段には比例しないことが証明されるだろう。