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ケルトを旅する52章―イギリス・アイルランド― (エリアスタディーズ 94) (エリア・スタディーズ)
 
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ケルトを旅する52章―イギリス・アイルランド― (エリアスタディーズ 94) (エリア・スタディーズ) [単行本]

永田 喜文
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

音楽と旅を通じてイギリス、アイルランドに現代も生きるケルト文化を浮き彫りにする。音楽では伝統音楽からポピュラー音楽まで縦横に紹介し、各地の遺跡・史跡を巡る旅では土着宗教、伝説、伝承の名残りを伝えて、現代の表層に隠れたケルトの世界へ案内する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

永田 喜文
明星大学、法政大学経済学部他講師。東京生まれ。明星大学人文学部英語英文学科卒業。明星大学大学院英米文学専攻博士課程修了。英文学修士。大学院在籍中から音楽ライターとして活躍し現職に就く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 376ページ
  • 出版社: 明石書店 (2012/1/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4750335223
  • ISBN-13: 978-4750335223
  • 発売日: 2012/1/17
  • 商品の寸法: 18.9 x 13 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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本書は、ブリテン諸島内のケルト諸国に見られる「ケルト文化」を日本語で紹介した本です。そのような本はもうすでにごまん(大げさ?)と出版されているでしょう。しかし群を抜いてこの本が優れている点は、第一に、現地で日常生活を営む人々、あるいは様々な分野で活躍する(した)人々の視点に基づいて書かれていること。第二に、ケルト諸国からは遠く離れた日本人の、しかも様々な知識背景を持つ読者を念頭に置き、専門性を失うことなく平易な日本語で説明されていること。第三に、筆者が旅し見聞した音楽なり催しものなりへのアクセスの方法を分かり易く提示してくれていること。この3点だと思います。

私の気に入っている段落を紹介します。ウェールズにはウェールズ語で書かれた詩をハープに合わせて歌うケルズ・ダント(Cerdd Dant)という伝統があります。ハープは歌い手の旋律と全く異なるものを奏で、全体がまるで協奏曲のように聞こえる音楽形式です。これについて著者は次のように述べています―
「ハープが奏でる曲に関して、ふたつの特徴がある。ひとつ、曲は伝承曲でも新たに作曲された曲でもよいが、詩の本質を音で表さねばならない。ふたつ、ハープは詩のメロディの対旋律を奏でなければならない。―ケルズ・ダントは主旋律と伴奏からなる音楽ではなく、主旋律と対旋律が創る音楽なのだ。従って歌とハープが別箇の曲を同時に奏でるため、どこかアンバランスで、浮遊感があるように聴こえてくる。だが注意深く聴けば、それが絶妙なバランスで互いに響きあっていることがわかるはずだ。…」(p.107)
この箇所の後できちんとお勧めのケルズ・ダントの入ったCDが掲載されています。実際に聴いてみると、筆者の言う「音による詩の本質の表現」と「主旋律と対旋律が創る音楽」という描写がきわめてしっくりいくことが分かります。私自身、現地ウェールズの方とこのケルズダントなるものの真似事をしたことがありますが、相方の奏で方、詩を歌う私との対し方が、まさに本書の説明にある通りなのです。

著者のHPによれば専門はウェールズのようですが、スコットランド、アイルランド、さらにマン島まで、同じタッチで、同じ専門性をもって書かれています。

この本は、英国、アイルランドへ旅する人々にとって、必携の書となると思います。また、この本を読み、これからケルト諸国の文化に関心を持つ人々がどんどん増えていくことと思います。
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By それから トップ1000レビュアー
このシリーズの本には『〜を知るための**章』と『〜を旅する**章』の2つがある。いうまでもなく本書は後者に属する。小生は「旅する」つもりはないが、「ケルト」に惹かれて読んだ。52章のうち1章から30章までが、ケルトの音楽についてであり、31章から52章までは、ケルト文化の紹介と旅行案内である。

ケルトの音楽については、いずれの章でも夥しいCD(アナログを含む)が紹介されている。やはり音楽という性質上、実際に聞いてみないと文章を読んだだけではわからない。手元には「The Scholars」のイギリス民謡集、エンヤ、ケルティック・ウーマンなど若干のCDがある位で参考にならない。特に紹介される曲(CD)は、小生の苦手とするロックやニュー・ミュージック系のものが多い。著者は「ザ・チーフタンズは、アイルランド伝統音楽ファンならば知らぬものはいないだろう」などと煽る。それでもPCで検索してyou tubeなどで多くの曲を聴くことができた。有難い時代である。また、著者のHPも開かれており、参考になる。
アイルランド、ウェールズ、スコットランドのニュー・ミュージックを含めた現代の音楽なかにもケルトの響きがそれぞれの歴史を踏まえて継承されていることが感じられて興味深いものがあった。

イギリス・アイルランドは日本とユーラシア大陸を挟んで対象的な位置にある。イギリス・アイルランドの場合、先史時代には先住民が巨石文明を築いた。ケルト人は大陸から前10世紀頃から移動した。そしてローマ帝国の支配を受け、その後もアングロ・サクソン人、ノルマン人の侵入があり、今も複雑な民族構成となっている。一方、日本は縄文人が断絶することなく弥生文化を受け入れ(最近の研究では前10世紀頃)現代に至っている。イギリス・アイルランドと差が生じた主な原因は、大陸との距離の差だろうか?
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