前回の版元はCBSソニー出版で、巻頭の数ページのみカラーという内容でしたが、今回はフルカラーでしかもDVDつき。内容については削られたところはなく、大変好感が持てる内容です。
今日のGPはもっとアプローチでフロントを使い、スライドコントロールもダイナミックになっているので、あるレベル以上の走りができていて、しかも"レースで勝ちたい"という人にはもの足りないかも知れない。Techniques of Motor cycle road racingの一読をお勧めします。
ただ、たとえば、大型のアメリカンからスポーツバイクに乗り換えたとか、走っている時に自分のバイクに何が起きているかとか、ツーリングで速い人がなぜ速いのか分からないとか、そういった人には最高の指南書になると思います。いまのレース界の安全性を確立する運動に真っ先に取り組んだ、いわば生き神のようなケニー・ロバーツの本です。ここで私がつたないレビューを書いている時点でおこがましい、そういった本です。
ワールド・チャンピオンシップで尻を落としたのは彼が最初だし、コースの安全性や賞金などの待遇を改善させるきっかけになった"ワールド・シリーズ"を立案・首謀してFIMと対峙したのも彼でした。彼はレースを変えた。
公道で走る上でも、のんびりツーリングでも応用できる。というか、この辺りを分かっていないと安全には走れない。初刊が発売された頃わたしは20歳そこそこの若者でしたが、それはそれは熟読したものです。
今回の復刊にあたって、株式会社ウィック・ビジュアル・ビューロウの関係者に対しては感謝しかありません。できれば版を重ねていただきたい。
手を取って謝意を表したいくらいの本です。かなうことならば、ライダースクラブの別冊で少数発行されたケニー・ロバーツの復刊を願うのは私一人だけではありますまい。この本も世代を超えて読まれるべき本だと思っています。
すべてのライダーにとって、価値のある本です。強くお勧めします。