これほどまで革新的で、確信的な、核心に触れる、カツシンも驚くほどの、エキセントリックなギャグ漫画も珍しいだろう。もはや漆黒とも言える隙のない書き込みによる絵肌のダイナミズムと、喉につっかえる様なパンチのあるギャグでこれでもかと畳み掛け、暴力的とも言える情感が脳髄から全身に脈を打つのだ!大方のギャグ漫画が日常に潜んだ非日常、あるいは非日常の中の日常を描くのに対し、今作はただ「ケツ犬的日常」を描ききっているだけである。その丹念で真摯な世界への言及(自己言及)が、あるからこそ、暴力的ながら私の心に深く響いたのだろう。昨今の生易しいただかわいいだけのキャラクターとは一線を画す、我が道を行く佇まいと作家性。それでいて、読者へのやさしさ両立させた「ケツ犬」は、時代を超える奇書であると断言してもいいだろう。溜飲が下がることはなく、もはや上がりっぱなしの全ページだ!あなたも恩寵の扉を開きたまえ!!