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ケインズ 説得論集
 
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ケインズ 説得論集 [単行本]

J・M・ケインズ , 山岡 洋一
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

マクロ経済学の祖といわれるケインズは、実はタイムリーに現実経済を解説した時論家でもあった。デフレの本質を的確に捉えた彼の経済論はいまこそ読むべき価値がある。ケインズ経済時論集が一流の翻訳家により復活。

内容(「BOOK」データベースより)

20世紀最大の経済学者はデフレの本質も見抜いていた。よみがえる第一級の経済時論。

登録情報

  • 単行本: 280ページ
  • 出版社: 日本経済新聞出版社 (2010/4/21)
  • ISBN-10: 4532354110
  • ISBN-13: 978-4532354114
  • 発売日: 2010/4/21
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.4 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By Max-T トップ1000レビュアー
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1919年から1931年までのケインズの論説が編集されている。学術論文ではないので、分かり易く説かれている。

第1章「インフレーションとデフレーション」、私はその時代にインフレとデフレについてどのような議論が展開されていたのか興味を惹かれて読んだ。まだ金本位制を引きずっていた時代の議論であるが、ケインズの議論は今読んでも古さを感じさせない。ただし、金本位制を廃棄し、管理通貨制度&変動相場制になり、しかも莫大な財政赤字を赤字国債の発行でファイナンスしてもインフレではなくデフレに悩まされている日本の状況は、やはり特異で、当時のケインズの議論からストレートな解法のヒントは得られないようだ。

予想に反してそれ以上に興味深かったのは、第3章「自由放任の終わり」である。ケインズは政府は経済過程にできるだけ介入せずに「自由な市場のメカニズム」にゆだねておくのが最良の策であるという自由放任の原理を批判するわけであるが、ここでケインズはアダムスミスを含む古典派経済学者の批判ではなく、再評価を展開している。

ケインズは自由放任(レッセフェール)について、「(アダムスミスなど)偉大な経済学者の著書にはそのような教義は書かれていない。偉大な学説を平易に解説して通俗化した著者らが論じた見方である」と批判する(p179)。「レッセフェールという言葉は、アダムスミスやリカード、マルサスの著書では使われていない。自由放任の考えすら、教条的な形ではあらわれていない。」(p181)

そして経済的な自由放任とダーウィン主義の通俗的な連結に批判の矛先を向ける。経済的な自由主義の主張は、理論的な分析を展開する目的で「単純化のために導入された不完全な仮説に基づいている点が忘れられやすい」と論じている(p188)。

こうしたケインズの当時の議論は、戦後の比較的近年のアダムスミスの再評価とも通じ、今日的な意味を失っていないどころか、ますます問題は先鋭化していると言うべきだろう。

ケインズが今この世に蘇ったらならば、経済理論の数学的な精緻化や統計データの飛躍的な整備にもかかわらず、経済学の諸問題は自分が生きた時代とその本質においてあまり変わっておらず(進歩しておらず)、また自身の過去の議論がその後に通俗化された形で利用、普及したことを批判するんだろうなあ、と思わずにいられない。
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形式:単行本|Amazonが確認した購入
評論集の中に「チャーチル財務相の帰結」という文章があった。

金本位制への復帰に際して、
旧平価解禁で10%切り上げになったポンド。
海外の物価が10%上がらない限り、
国内物価を切り下げないといけない。
購買力平価説に従えば、そういう話だ。

輸出産業はともかく、国内産業の賃金を切り下げるためには
金融を引き締めて、「意図的に」失業者を増やさないといけない。
そうやって労働市場の供給が過剰になると、
賃金が下がり、一般物価が下がるはず。
チャーチル氏がイングランド銀行や財務省に
そそのかされてやった旧平価解禁は
そこまで織り込んだシナリオということになる。
本人が意図しているかどうかは、
ケインズの知ったことではない。

金本位制の為替安定のメカニズムというのは、
誰も表だって言わないけれど、
そういう仕組みなのだと、ケインズはいう。

・・・こうした政策の真実は、2年ほど黙っていれば、よいでしょう。
効果が一巡して、政治的に安全になるでしょうし、
あるいは財務相閣下が下野されているかもしれませんし・・・。
ケインズならば財務相にこうアドバイスしただろうに、とさえ書いてある。

金本位制のゲームは、きれいなうわべの奥に
こうした残酷な面をもっているという話でもある。

実際には、1926年のゼネストが、ケインズの言説を
裏書きした格好になった。
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