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ケインズとハイエク―貨幣と市場への問い (講談社現代新書)
 
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ケインズとハイエク―貨幣と市場への問い (講談社現代新書) [新書]

松原 隆一郎
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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ケインズとハイエク―貨幣と市場への問い (講談社現代新書) + 20世紀をつくった経済学: シュンペーター、ハイエク、ケインズ (ちくまプリマー新書)
合計価格: ¥ 1,596

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商品の説明

内容説明

ケインズとハイエクが対照的な経済学者とみなされているという通俗的理解は、ここ数年覆されている。ケインズとハイエクは新古典派のタームでは語りえない重要な思想を掲げ、しばしば論争を繰り広げた。
二人は晩年、自らを反共産主義且反保守主義と位置づけている。対立の論点は、その中間にどのように自由主義を配置するかをめぐるものだった。
ハイエクが著した『隷属への道』での主張、「設計主義、社会主義的計画化には反対するが、それは自由放任主義とイコールではない」「自由競争を促進、有効にするためには法的構造を整備する」にはケインズは賛辞をおくり、またケインズの考えもほぼ同様のものであった。
現在の経済状況を鑑みて、対立点をあげると、たとえば「市場」。
ハイエクは市場を複雑なシステムの一つ、とりわけ分散する知識の処理装置とみなした。模倣と慣行を維持することで、一部の人が保持する将来への期待や分類法が淘汰され裏切られる。市場は社会を無数で多様な知識に対して適応させる。その適応を狂わせ恐慌をもたらすのが政策的な干渉、とりわけ金融政策だと見立てた。
ケインズによれば、不安定なのは市場そのものである。市場は、いわば自生的に無秩序でありうる。それに秩序を取り戻させるのが経済政策だという見方となる。
そのような二人の共通認識と対立点を徹底比較、論考する。
ヒュームやバークなど経済に影響をあたえた古典思想にも言及、現在の日本社会が抱える問題点を経済思想史の視点から考察する試みでもある。
該博な知識をもってなる松原教授ならではの「資本」論や喫緊の課題である「金融市場への不安」も主たるテーマとなる。
ケインズとハイエクが論争を重ねた30年代と同様に、危機的状況が続く世界経済。流動性の罠に陥っている経済の現状と人々の不安とは何か。21世紀の世界的経済危機と迷走する社会思想を歴史に残る巨人の経済学的知性で読み解く。
サブプライム危機とリーマン・ショックを経て、アメリカの覇権と基軸通貨であるドルの威信は落ちた。グローバル・インバランスが揺らぐ現在、本書の刊行には大きな意義がある。

内容(「BOOK」データベースより)

巨人の経済思想を徹底比較。世界的経済危機を乗り越える思想と社会哲学は歴史に学ぶ。

登録情報

  • 新書: 328ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/12/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062881306
  • ISBN-13: 978-4062881302
  • 発売日: 2011/12/16
  • 商品の寸法: 17.6 x 11 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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15 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By スワン トップ500レビュアー
《30年代の「世界恐慌」。その原因や対処法をめぐりケインズとハイエクは論争を繰り返した。リーマンショック後の「世界的経済危機」の核心を探るため、経済学史に偉大な足跡を残した知の巨人の共通認識と対立点を徹底比較する》

この内容紹介に惹かれ、本書を買った。
長引く平成不況、曲り角に立つグローバル資本主義、ギリシャ危機、そしてTPP問題……等々を考えるうえで、何かヒントがあるのではないかと思ったからだ。

結論からいえば、それは私の勝手な思い込みであった。
ひと言でいえば、本書はケインズとハイエクを対比させながら、両者の経済および社会理論を概説した<教科書>のようなものである。
したがって、私はこの本を、はるか昔の経済学部時代にもどって、ねじり鉢巻きで読むしかなかった(それほど硬い本です、これは)。

<第一部>第一章は、ふたりの対比略伝で、「交友と衝突」というタイトルが付されている。

<第二部>第二章は、金利政策によって物価の安定を図ろうとするケインズにたいして、ハイエクは物価水準を安定させても景気変動は不可避だとする。
・第三章は、そうしたハイエクのケインズ『貨幣論』批判。
・第四章は、『一般理論』にいたるまでのケインズ経済学の概説と、ハイエクの「秩序を生み出す<市場>」という考え方をまとめる。

<第三部>第五章は、ハイエクの「法の下の自由」という思想と、ケインズの「自由を脅かす不確実性」という考え方を対比させる。
・第六章は、国際通貨に着目するケインズと、通貨発行を民営化するというハイエクの過激な論の紹介。
・第七章は、<慣行>をめぐる両者の対比。ハイエクがそこから<自生的秩序>が生まれるとするのにたいし、ケインズは逆に<流動性のワナ>に陥る恐れがあるとする。
・第八章は、保守主義をめぐる両者の微妙な差について。
・そして最終章の第九章では、ハイエクの自由論は<平時の論>、ケインズのそれは<危機の論>と結論する。

たしかに、ケインズおよびハイエクの経済学や思想を整理するうえでは勉強になったが、しかし、本書を通じて、テクニカル・タームに注解が少ないので、とまどう読者も多いのではないだろうか。
「カタラクシー」「交渉民主主義」「時と所についての特定の状況にかんする知識」……といった言葉が説明抜きで飛び出してくる。
また、つぎのような文章はどうか?

《目的へ向けての「〜せよ」ではなく手段について「〜してはならない」という禁止の形で普遍的な行動ルールを構成して保護領域の境界線を定めれば……》(第五章、193ページ)

この背後には、たとえば――「右折禁止」「一方通行」といった交通法規は守らなければならないが、どこへ行くかは各人の自由という自由主義の社会と、「〜へ行け」「〜をしろ」と強要する統制社会との違いを見すえたハイエクの思想が控えているわけだが、そのあたりの注解はあまり明確ではない。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ケインズとハイエクというと、かたや、積極的な財政政策を唱え、かたや、徹底した自由主義経済を唱えていた、というのが一般的なイメージだ。
しかし、実像は、それほど単純ではない、というのが、この本でよくわかる。
新書という親しみやすい形式で出版されているが、内容はかなり難しい。
大学時代に、ケインズの理論がもとになったIS-LM曲線などを学んだのが懐かしいが、二人の理論を紹介している場面は、理解するのに何回か読む直す必要があった。
ケインズ自身、自分の理論がそうした計量経済学として使われることを徹底して拒絶していた、というエピソードも紹介されている。
この書によれば、ケインズもハイエクも、経済学者である以前に、確固たる思想をもった人物であり、その経済学は、あくまでもそうした思想の反映する場所であった。
その主張は大きく異なっていたが、二人は当時の状況に対して、何が必要なのかを、経済学に止まらずに、幅広い視点で、社会に発信し続けた。
現在も、それ以来と言われる厳しい経済状況にある。現代のケインズやハイエクは、一体、どのような視点で、私たちに何を訴えるのだろうか?
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ヒデボン VINE™ メンバー
 ある程度の予備知識がないと到底読みこなせない高級な解説書。しかし、ケインズの「一般理論」、あるいはその解説書だけでも読んだことがある者にとっては、なかなか面白く読むことができる。できれば、ハイエクについても事前に少しばかりは知っておいた方がいいかもしれない。

 ケインズでは「有効需要」とは何かについての説明はなく、いきなり本論に入って行くし、「セイの法則」にしても「供給はそれ自らの需要を生み出す」なんていうキャッチ・コピーすら提示されていない。そのくせハイエクの「迂回生産の理論」は、しつこいくらいくどくどと・・・・・。

 ケインズにしろハイエクにしろ、両巨人は実に多くの書物、論文をリリースしているが、本書はこれらの論文等を決してうまく順序よく整理して解説しているわけではなく、何度かページを戻りつつ読み進めることになる。しかし、松原先生の文章自体は読みやすいので、内容自体はわからないことは決してない。

 そもそもの二人の学説の発端から、自由論に至るまでの、実に欲張った内容を本文300ページ足らずに押し込んだことが無理がある。なかなかしんどい。しかし「注」も充実してるので、じっくり取り組む価値はある。セブン・イレブンを例にあげた「カタラクシー」の解説は実に面白い。
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