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ケインズ―“新しい経済学”の誕生 (岩波新書)
 
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ケインズ―“新しい経済学”の誕生 (岩波新書) [新書]

伊東 光晴
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

一九二九年の大恐慌いらい、資本主義世界の経済運動は、ケインズをぬきにしては理解できなくなった。「新しい経済学」あるいは「ケインズ革命」とよばれるケインズの思想と理論が、イギリス社会の現実のなかから、いかにして生み出され、それが、従来の経済学の体系を、そして資本主義の現実をどのように変えていったかを明らかにする。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

伊東 光晴
1927年、東京に生まれる。1951年、東京商科大学卒業。専攻、理論経済学。現在、京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 215ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1962/4/20)
  • ISBN-10: 4004110726
  • ISBN-13: 978-4004110729
  • 発売日: 1962/4/20
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.4 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
31 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By vrio228
たとえば、宮本武蔵を知りたい、としましょう。
そのときに大切なことは、史実を暗記するだけで終わらせないことだと思います。
二刀に行き着くまで、決闘に望むまでの苦悩や決心など、
それまでの過程を知らなければなりません。

本書のメインは3章、歴史的名著『一般理論』の解説ですが、
1章、2章において、当時の英国の背景と
ケインズの半生を描き、彼が『一般理論』を執筆するまでの
プロセスが理解できます。この部分だけでも経済学史として
味わい深いものとなっています。
その後のケインズ経済学が資本主義社会に与えた影響も4章で記してあり、経済学の発展とその力がよくわかります。

ケインズ入門でもあり、経済学史入門としても成り立つ、名著だと思います。

このレビューは参考になりましたか?
34 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
中学3年のとき、この書籍を読もうと思ったのは、ただ単に、文中に無限級数の数式が出ていたからだけの理由に過ぎなかった。 習ったばかりの無味乾燥な代数が、経済学と呼ばれる領域で、生き生きとした形で使われていることに、興味を持っただけなのである。しかし、実際に読んでみると、そこで描かれている内容は、近代経済学における革命-いわゆる、パラダイムの変換-そのものであった。古典派経済学の恐慌論に基づく経済対策は、恐慌を悪化させるだけであり、むしろ、その逆が必要なのであるということが、簡単な数学的説明を交えながら、分かりやすく説明されていた。それは、ケインズの「一般理論」の骨子そのものであった。そして、なぜ、それが、経済学者の世界観を、そしてまた、経済政策を転回させたのか、その理由も、解説が進むとともに、明白にされていた。

本来、解説書は、その原著作である「一般理論」の導入であるべきだろうが、私には、こちらの書籍の方が興味深かった。ケインズの生きた世界、その苦悩、その情熱、そして、その影響が、描かれていたからである。

この書でケインズを知った読者は、近代史に対する考え方も変わってくるだろう。近代国家の経済政策や経済状態の歴史に対して、より注意深くなり、より詳しい説明が必要と感じるようになるだろう。この入門書は、若い読者の人生を変える可能性を持った書籍である。

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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By h.yamagata 殿堂入りレビュアー
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 1962年の本で、ケインズ理論黄金期。一方の日本は安保闘争その他で、マル経が幅をきかせ、ケインズ理論なんてのは資本主義と管理社会の尖兵とされていた時期。本書は、ケインズがいかに当時の古典派経済理論とそれを体制化してしまった政治体制に心を痛め、実際に人々を救う実効性のある経済学を生み出そうとしたかを語る。

 かなり多くのグラフと数式を使ってケインズ理論をそこそこ詳しく説明しているのは立派。ケインズがデフレを批判しインフレをよいものとしたこと、流動性選好等々、説明はかなりわかりやすい。いまだと、これでもむずかしすぎると言われるだろうけれど、むかしの新書はレベルが高かった。

 時代背景もあり、かなりのページをマルクスとの比較に費やしている。また、ケインズ経済学が引き起こした政策的な問題として、軍事支出とインフレを挙げ、理論的には産業ごとの不均衡、独占、そして資本の蓄積がGDP上昇に関連づけられていないことだと指摘。

 当然ながら、その後経済学 (Keynes or otherwise) がたどった道筋(とその破綻)については触れられていないが、いまにして思えば、それに至る萌芽はこの問題点の指摘の中に見られ、著者の理解がそれなりに経済学の当時の状況をよく反映したバランスのよいものだったことがわかる。新しいネタに触れていないという意味では古びた面もあるけれど、いまだに結構いい本だと思う。
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