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ケアの社会学――当事者主権の福祉社会へ
 
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ケアの社会学――当事者主権の福祉社会へ [単行本]

上野 千鶴子
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

――超高齢社会における共助の思想と実践とは何か?!

――「ケア」関係における当事者主権とは何か?!

社会の高齢化が進む中で、今後ますます重要性を増してくる「ケア」の問題は、これまで十分に冷静な議論がなされてきたとは言えない。介護労働者が不足し、そのニーズが増す一方で、彼/彼女らの労働環境は、現在も低水準が維持され続けている。さらに「ケア」は家族の心情や道徳意識に強く働きかける領域であるが故に、主婦などの無償の奉仕労働として扱われがちである。こうした問題の批判的検討に加えて、本書はこれまでもっぱら「ケアする側」の立場から語られてきたこの問題を「ケアされる側」の立場から捉え返し、介護現場における「当事者主権」とは何かを明らかにする。

『家父長制と資本制』で切り開かれた家事労働論・再生産論をさらに先へと押し進めた、上野社会学の集大成にして新地平!!

調査期間10年、総計500ページ超!

【目次構成】

第I部 ケアの主題化
第1章 ケアとは何か
第2章 ケアとは何であるべきか
第3章 当事者とは誰か

第II部 「よいケア」とは何か
第4章 ケアに根拠はあるか
第5章 家族介護は「自然」か
第6章 ケアとはどんな労働か
第7章 ケアされるとはどんな経験か
第8章 「よいケア」とは何か

第III部 協セクターへの期待
第9章 誰が介護を担うのか
第10章 市民事業体と参加型福祉
第11章 生協福祉
第12章 グリーンコープの福祉ワーカーズ・コレクティブ
第13章 生協のジェンダー編成
第14章 協セクターにおける先進ケアの実践
第15章 官セクターの成功と挫折
第16章 協セクターの優位性

第IV部 ケアの未来
第17章 ふたたびケア労働をめぐって
第18章 次世代福祉社会の構想

内容(「BOOK」データベースより)

超高齢社会における共助の思想と実践とは何か?!膨大なフィールドワークと精緻な理論に裏打ちされた、上野社会学の集大成にして新地平。

登録情報

  • 単行本: 504ページ
  • 出版社: 太田出版 (2011/8/4)
  • ISBN-10: 4778312414
  • ISBN-13: 978-4778312411
  • 発売日: 2011/8/4
  • 商品の寸法: 21 x 15.4 x 3.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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42 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
希望の書 2011/8/17
 大著である。学究の書である。今後の「ケア」「福祉社会」を論じる際の重要な基本図書である。
 このレビューは、その書を通読してのものではない。どういう書かを探ってのものである。早く、一冊でも多く人々の手元に届いてほしいからである。

「あとがき」の冒頭に「本書は過去10年余にわたる介護保険下のケアの理論的・経験的研究の成果である」と書いてある。研究は机上よりも現場調査を基としている。調査は1999年から2007年までの足かけ八年にわたっているという。1997年の介護保険法成立、2000年の同法制度実施に絡んでの調査研究であり、制度実施10年に合わせての上梓であると言えよう。また、東大大学院教授退官、新生への記念出版でもある。

 著者と福祉社会学の副田義也は、本書のゲラが出た上で2011年1月7日に長時間の対談を行い、『atプラス 07』(太田出版、2011年2月)に掲載した。26頁のその対談記録は、本書のよき解説であると同時に、その一部が本書に活用されて厚みを増しているようだ。

 さらに本書の序とあとがきは、3月11日以降に執筆され、日本のケアの現状と日本社会の将来への見通しを記して本書を画期的なものとしている。
 「初版への序文」という言葉を頭に置いた序は、「ケア―共助の思想と実践」と題されている。22頁に及ぶその序は、大震災で〈行政も警察も機能しなくなったとき、日本ではホッブズのいう「万人の万人に対する闘争」、弱肉強食の野蛮状態は現象しなかった〉とし、その理由は国民性や東北人の気質、血縁・地縁に求めず、「民主主義と市民社会の成熟の証しだと思えばよい」と指摘して理由を記している。つまりそこには「共助の思想と実践」が存在していたのだというのである。故に、「わたしたちが到達した社会はこのようなものだ。/希望を持ってよい。」と締めている。

 なお、この「共助の思想と実践」というフレーズの「共助」は、「ケア」の同意語かと考えられる。最終章(第18章)の最終節には「ケアの思想と実践とは、超高齢社会を生きるすべての人々にとって必須の課題なのである」とある。私たちはその要に「共助」があると解してこれからの日本における福祉社会の構築に努めたい。
 
 評者は78歳、まだ働いている連れ合いと暮らす昼間独居老人である。「良いケア」とは「個別ケア」だという本書第8章に同意しながら、「共助=ケア」にも同意すべく、少しの努力をして暮らしている。それにしても著者が今は「在宅ひとり死」を研究しているという「atプラス07」での発言に興味を持った。連れ合いと愚生とは、いずれは「在宅ひとり死」を生きることになるかもしれぬ。そこに、ケアなり共助なり、福祉社会の究極の現実があるのだと思う。

 本書は、「希望の書」でもあるし、「大いなる問題の書」でもある。愚生が「第?版の序」を読めるかどうか分からないけれども、著者の自愛と精励とを祈念する。
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17 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
すばらしい 2011/8/18
By matrix
前のレヴューに内容が書いてあるので、詳しく書かない。本書はまさしくケア学の大全であり、先行理論的整理および実際のフィールドワークといい、大全の名にふさわしい書物である。
このレビューは参考になりましたか?
13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
介護の提供者の側からの分析もしっかりできていて、流石この筆者らしいと関心。実際に介護の必要を感じている人、介護に携わろうとしている人、行政の人、家族に被介護者を抱えて悩んでいる人、全ての人の満足をある程度保障出来ると思う。これまで多くの介護に関する本を読んだが、まず、この本は必読書の筆頭かな・・。既に知人に勧めて買わせてしまった。
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