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グーテンベルクの銀河系―活字人間の形成
 
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グーテンベルクの銀河系―活字人間の形成 [単行本]

マーシャル マクルーハン , 森 常治
5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

「これまでいずれの文学理論家もついぞ開けなかったドア、
経験のなかにおける安定性の問題についてのまことに大きな扉がここにあるといわねばなるまい。
わたしの考えでは
ブレイク以来だれも認めたことのなかった扉なのだ。
ブレイクについていえば、
マクルーハンはとことんまでブレイクの後継者である」
(G.スタイナー)

グーテンベルクによる印刷技術の発明は、
人間の歴史と文化にたいし、
いかなるインパクトを与えたか。
書物(活字)を読むという行為は、
人間の知覚=精神をどのように変容させたのか。
口語文化と活字文化はどう違うのか。
本書は、これらの疑問にたいするマクルーハンの
詩的洞察に満ちた応答である。
著者は、西欧近代の形成において
印刷技術が果たした決定的な役割を詳細に検証してゆく。
ホメロス、シェイクスピアはもとより、
ポープ、ジョイスからド・シャルダン、さらにはダンチッヒにハイゼンベルクまで、
古今東西にわたる博引傍証によって、
活版印刷をめぐる壮大な《グーテンベルクの銀河系》が描き出される。
部族共同体の時代から中世・ルネッサンスを経て
近代に至る広大な歴史の流れのなかで、
活字(書物)が視覚強調を促進することで
聴覚・触覚を抑圧し、
近代のテクノロジー・個人主義・ナショナリズム等を形成したプロセスを
モザイク的方法によって浮き彫りにしてゆく。
活字文化と電気=電磁波テクノロジーによる
文化(映画・テレビ等)が競合している今日、
活字文化を再考し、
新しい文化創造を構想する上で、
本書は、ブレイクにも似た予言者の書といえよう。

内容(「BOOK」データベースより)

グーテンベルクによる印刷技術の発明は、人間の歴史と文化にたいし、いかなるインパクトを与えたか。書物(活字)を読むという行為は、人間の知覚=精神をどのように変容させたのか。口語文化と活字文化はどう違うのか。本書は、これらの疑問にたいするマクルーハンの詩的洞察に満ちた応答である。著者は、西欧近代の形成において印刷技術が果たした決定的な役割を詳細に検証してゆく。

登録情報

  • 単行本: 528ページ
  • 出版社: みすず書房 (1986/2/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4622018969
  • ISBN-13: 978-4622018964
  • 発売日: 1986/2/20
  • 商品の寸法: 20.8 x 14.6 x 3.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
活字人間がどの様に出来、それがどう所謂「近代」人になり、そして映像の世紀に聴覚人間として復活するか、という話。
以後の著者のテーマの基本で示唆も多いが、中世ヨーロッパとテレビ時代を活版印刷・映像の時代としており、前者は時代への基礎知識が無ければ読みづらく、後者はインターネットが急速にテレビを飲み込みつつある現代においては内容が古すぎる。

本気でメディア自体を論じる方面に向かう人、既に業界人の端くれである人はともかく、単にマクルーハンの考え方を応用知識として知りたい人は「メディアの法則」の方を読む方が手っ取り早いのでそちらをお勧めする。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ふんふん トップ100レビュアー
形式:単行本
 言わずと知れた、メディア論の古典中の古典。しかし7,500円も払わせた上で読者に苦痛を強要する本だ(笑)
 というのも、グーテンベルクの印刷術が作り出したルネサンス以降の西欧文化と、テレビ等の電波メディアが作り出す現代文化──といっても40年以上前の話なのだが──のありようを文章によって再現し、比較するのが本書の目的なのだが、その方法がじつに読者を疲労させるものなのだ。

 前書きにあるとおり、本書の叙述は「おびただしい資料や引用が描き出すモザイク的イメージ」によって状況を表現するというやり方を採っている。つまり、対象に対して視点を定め、論理的に筋道だった議論を展開する、ということをあえてしないのが本書なのである。
 なぜそんなわずらわしい手法を採るかといえば、そういう固定的な視点に依存しない、モザイク的なイメージこそが、テレビ時代の世界認識だからだ。

 マクルーハンによれば、表音文字(アルファベット)の発明と印刷技術の発明によって、西欧社会は「視覚」だけを異常に強調する文化をつくり出した。固定された視点が捉える均質的な視覚情報──つまり印刷されたアルファベット──のなかにあらゆる対象を写し取ることで、西欧人はある意味で非常に歪曲された世界像、宇宙像を手に入れたのである。この宇宙像をマクルーハンは「グーテンベルクの銀河系」と呼ぶ。

 西欧社会に現れた「グーテンベルクの銀河系」は、世界についての認識を単一の感覚に還元してしまい、単純な記号の直線的配列によってすべてを表現しようとする。また、印刷されたアルファベットはそれ自体が意味を持つのではなく、あくまでも「意味されるもの」のrepresentation(代理=表象)でしかない。無文字社会の口語文化にあっては、言葉はそれ自体が豊かな「意味」をまとったものとして人々の心に響いていたのだが、文字社会においては、「意味」は形而上学的な世界へと追いやられてしまうことになったのである。(ちなみに、表意文字の社会にはこうした変化はほとんど起こらない。)

 この「グーテンベルクの銀河系」は、西欧社会の「知」に推論の厳密さを保証する一方で、分析的理性に偏重した、視野の狭さをももたらした。印刷技術の誕生は、単純な進歩ではなかったのである。「どれかひとつの感覚が切り離されると他の感覚どうしの比率が必然的に狂って自己感覚が失われてしまう」のであり、「五感どうしを切り離してしまう新技術には当然催眠効果があった」のである。

 それに対し、現代のラジオやテレビといった電波メディアは、「聴覚」を復活させ、「視覚の極端な優位」から「五感の調和」へと人々を連れ戻す。訳者の解説によれば、調和のとれた五感による世界認識のほうが、カトリック信者のマクルーハンにとっては、神が創造した世界をリアルに捉えられるということのようだ。
 そのかわり、この五感調和的で総合的なリアリティは、単線的な論理の筋道によって表現できるものではない。世界は「場」のようなイメージで捉えられるべきなのであって、マクルーハンはその「場」らしきものを、本書の活字空間のなかに描出してみせたのである。だから本書は趣旨が追いにくく、ふつうの意味ではものすごくわかりにくい本なのだ。

 「メディアはメッセージである」という有名なテーゼに代表されるように、メディアの「形式」が人々の精神文化にいかに強い影響を及ぼすか、というのがマクルーハン理論の最大の要点だとされている。だが、訳者もいうように、五感の調和によるリアルな世界認識を復興させよ!というのが本書の核心的なメッセージではないかと私は思う。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 ルネサンス期の三大発明といえば、火薬、羅針盤、そして印刷術。
 本書の主題はその「印刷術」。

 例えば、ルター、カルヴァンによる宗教改革。彼らが掲げ、今なおプロテスタントの教義
たる「聖書のみ sola scriptura」を下支えするのが活版印刷。堕落した権威の手から聖書を、
あるいはイエスを解放するこの運動とて、マインツ発の偉大なる技術革命なくしてはそもそも
成り立ちえぬ話。いみじくも、グーテンベルクが刷り上げた最初のテキストは聖書であった。
 無論、影響はそればかりではない。大量生産可能な印刷術がいかほどまでに自然科学の
発達を助けたことか。近代的な法概念など、そもそもこの「コピー」概念なくしては成り立ち
得ない。

 本書は単に印刷術をめぐる数奇なエピソードを語るにとどまらない。
「声から文字へ」。
 この技術は人間の意識に途方もない革命をもたらした、そうマクルーハンは論じる。
 啓蒙時代の真の幕開けを告げた印刷術の歴史から導き出される壮大な仮説。
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