この本を手に取った理由は2つありました。
1つは、グーグル社についての情報収集を行うこと
もう1つは、デジタル情報の整理に汲々としている現状をなんとかするため
正直に言えば、それら2つの目的は、十分に果たされませんでした。
グーグル社の元CIOとはいえ、書かれている内容はご本人の体験談に基づいた普遍的な事柄であり、
デジタル情報の整理については、まえがきから「この本はHow to本、Tips集ではない」と自ら語られている通り、
具体的なノウハウは脇役として添えられている程度です。
従い、タイトルから上記のような目的で購入を検討されている方は、別の本を当たられたほうが妥当かと思います。
しかし、その前書きから引き込まれ、目的を忘れて読みふけってしまう本でもありました。
グーグル社のCIOといえば、情報の取り扱いのプロ。
情報の波に飲み込まれることもなく、完璧に整理された頭脳で、効率よく仕事をこなしているのだろうと思っていたら、そうではなく、
失読症であるがゆえに、通常の人より多くの苦労と試行錯誤をしながら、自分なりの整理術・仕事術を確立してきたというのです。
そんな著者なので、自分のやり方は普遍的なものではなく、読者個々人が 自分にあったやり方を見つけることが重要と繰り返し説きます。
よって、この本は自己啓発本として読むべきでしょうし、その意味で、大変良書だと考えます。
(ちなみに、『参考までに』と自身のやり方を惜しみなく開示してくれていますので、自分のやり方を考える糸口も得られると思います)
何よりも気に入った点は、文章の明るさとフランクさ。
持病のこと以外にも、著者の人生に起こった悲劇的なできごとが、情報整理の重要さを物語る挿話として描かれますが、
わざとらしさも説教くささもなく、読みやすく、勇気付けられる人も多いと思います。