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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
この時代におけるシステムと人間の関係,
By ひまなやま (千葉県千葉市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: グローブ・ジャングル (単行本)
鴻上尚史が立ち上げた新しい劇団「虚構の劇団」旗揚げからの3部作をまとめた戯曲集です。かって「第三舞台」の作品に一喜一憂し、自分の思考に大きな影響を与えた作者の最新作ということもあり非常に興味深く読むことができました。 もともと鴻上さんの戯曲世界で描かれる本質の1つは「自分と他者(世界)との関係」です。 自分を取り巻く他者や世界との軋轢や歪みを、その時代時代に登場するシステムやテクノロジーを絡めながら描いていました。 (かってはRPGや伝言ダイヤルなどなど。) 今回の旗揚げ三部作でも人と人との間に、現代社会に存在する様々なメディアやシステムが介在されてきます。 それは監視カメラやWebカメラ、ネット、ブログ、視聴者の前で映し出されるリアリティ・ショウなど、既に日常に一般化する物事です。 それぞれの登場人物たちはそんなシステムに翻弄され、様々な形で傷ついています。 10年前に封印されている第三舞台の作品から更に複雑化しているシステムをオンタイムで描くために、再び劇団を立ち上げた作者の意図を感じることができます。 人と人の間に次々と現れるシステムは果たして人間を幸福にしているのか? もしそれが関係性を傷つけるものだとしたらなぜ人間はそのようなシステムを必要とするのか? 個人的には「放り投げた」と解説されている、2番目の作品「リアリティ・ショウ」のラストが印象的でした。
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