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5つ星のうち 4.0
パネル・ディスカッションの部分に読み応えがある。,
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レビュー対象商品: グローバル資本主義と日本の選択―富と貧困の拡大のなかで (岩波ブックレット NO. 779) (単行本(ソフトカバー))
3人の話者を招いて行われた公開シンポジウム「日本経済――富と貧困の蓄積」(東北大学グローバルCOEプログラム「社会階層と不平等教育研究拠点の世界的展開」主催 2009年11月)の内容を書籍化したもの。60ページ程度の薄い小冊子。シンポジウムは大きく第1部と第2部に分けられ、それぞれ「グローバル資本主義・世界金融危機・これからの世界経済秩序」「バブル崩壊後の日本経済と貧困層の出現・拡大」が大きなテーマとなっている。各部とも、それぞれの話者が(紙数にして4〜6ページ程度の)話題提供を行った後、(12〜16ページ程度の)パネル・ディスカッションを行っている。このテのシンポジウムのパネル・ディスカッションでは議論が通り一遍で噛み合わず不発に終わるケースも多々あると思うが、本書では、このパネル・ディスカッションの部分が一番面白い。見解の大きく異なる金子氏と武者氏の2人がテキトーな議論でお茶を濁したりしないのだ。 3人の共通見解は「世界経済のあり方が今後どうなるかは未だ見えない」「国家としての産業戦略を日本はもっていない」ということくらい。それ以外は大きく異なる。特に、「世界金融危機・世界同時不況の原因と対策」を「マネー経済の暴走と実物経済の回復」に求める金子氏と、「(実物経済の)世界的な需給のアンバランスとマネー経済の更なる高度化」に求める武者氏の間の見解の相違は大きく、またそこに「格差・貧困」といった切り口から橘木氏が絡んでくるので、読み応えのある議論となっている。最後まで平行線を辿ったまま話は終わるが、現在の世界経済のあり方や日本経済の今後のあり方について立体的な視点を得られたように思う。
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