下の”けいちゃん”の評価文のうち、前方の2パラグラフから後ろの2パラグラフまでの『日本の製造業は、一時よりは窮地に立たされていないように見えるものの、・・・だが、それを活かしきれていない企業もまた多い。』は、本書の評価とは関係なく、一般的な評論としてはおおむね正しいと思います。本書の評価はその後にある『正直に言えば、本書を読んでいても具体的にイメージできない部分もあった』です。
本書は「「構造化設計手法(SDM)」という手法を解説することで、製造業における「設計の標準化・モジュール化」を図る」ことが目的とのことですが、本書の狙いを一言で要約すると「DSM(Design Structure Matrix)手法を使って混沌とした設計プロセスを整然とする」ことのようです。それはそれなりに意味があることとは思いますが、「何が設計の標準化で何がモジュール化なのか」が最後まで解説されていない、特に「モジュール化」の定義が何もされないままに最後まで「これが設計の標準化・モジュール化だ」と言い続けていることには少々面食らいました。
一般にモジュール化とは部品のモジュール化を意味すると思うのですが、本書には部品のモジュール化は一切書かれていません。他にも書籍の構成としては標題の付け方、コラム欄の位置づけ、目次構成、用語等を含めていかがなものか?と思われる部分が多々あるので「具体的にイメージできない」という感想になるのも致し方ないと思います。しかしその辺りを割り切って読まれたら、設計プロセスの可視化・整然化に関する何らかの知見を得ることはできるかもしれません。私は、DSMが手を変え品を変えて展開されているように見えて最後まで読み切ることが難しかったです。