本書の著者は、1990年代初頭、シンクタンクのエコノミストとしてロンドンに赴任していた。折しも日本経済はバブル崩壊で大変な状況に陥り、世界第2位の経済大国の行方に欧州経済界の関心は高かった。そこで彼女にお呼びがかかる。BBCなどのニュース番組に出演し、日本経済に対するキャスターからの難しい質問を、流暢な英語で難なくこなしていた。現在は、日本で教壇に立つ著者であるが、テレビ討論などにパネリストとして出演した時には、その強烈な個性と、鋭い舌鋒で話題を呼ぶ鬼才とも言うべき著者の最新刊である。
著者は本書で現在の恐慌の特徴を独特の観点から厳しく批判的に、かつ、鋭くまとめていると共に、21世紀の資本主義は20世紀の資本主義とは明らかに異なるものとなるであろうという内容を明らかにしている。世界同時金融危機関連の本は数多く出回っているが、わかりやすさと歯切れのよさでは、本著が一押しと言っていいかも知れない。
経済に対する著者の鋭い視点をまだ、見聞きしたことのない方には是非、読んでいただきたい。ロンドンでのエコノミスト活動が長かったこともあり著者のグローバルな経済を見る眼は、他の多くのエコノミストや経済学者とは違う「何か」を持っていることが分かると思います。その上で、金融資本主義が崩壊した以上、世界同時不況はあと10年続くと指摘する。実に怖い予言本でもあります。