内容紹介
グローバル化が進む今日、NGOの役割はますます重要に、また、多様化しており、我々の身の回りのことから国際条約や核兵器といったかたい問題までNGO抜きでは語れなくなっている。世界は主権国家から構成されているという考えは修正を必要とされ、国際関係を動かす主要な主体が国家であることは変わらないとしても、NGOのような非国家主体も無視できなくなっている。それどころか、国家ができないことをNGOが実現することも起こっている。また、NGOには行動する意欲があるが、国家(政府)にはこれに負けない国民への奉仕精神が備わっているか、はなはだ疑わしい。NGOは国家を凌駕する面も出てきているのである。国際交渉の場においても、いつまでもNGOがわき役だと思っているととんでもない誤りを犯すことになりかねない。西ヨーロッパの諸国と交渉しているとこのことを痛感させられる。NGOについて多数の研究・報告が行われているが、本書の特徴は世界で活動するNGOの行動とその意味を理論的に説明することにあり、そのために五つの視点から考察している。第一に、大きく成長し、複雑になったわが国のNGOの最新の状況を概観しながら、その課題、とくに国家との関係における課題をNGOの目線から描き出した。第二に、NGOと政治の双方の状況と両者の間の関係を分析するという視点に立ちつつ、とくに、東南アジアでみられる諸形態の政治とNGOの関係を比較考慮することにより、民主政治とNGOとの関係に光を当てた。第三に、同じ非国家主体でありながらNGOの活動にとって外部環境となっているメディアとの関係を論じ、その関連でのNGOの課題を明確化した。第四に、NGOが国際法形成にはたす役割を、とくに対人地雷禁止条約制定をケースとして論じ、禁止運動に携わったNGOが取った戦略を明らかにした。第五に、役割を増大させてきたNGOの行動と国際社会に対するその影響を国際政治の原点にまで立ち返って分析・再構成し、グローバル化の進む世界におけるNGOに関する新しい国際政治論を試みた。(みね・よしき)
内容(「BOOK」データベースより)
市民社会の明日を切り拓く本格的なNGO論集。“非国家主体”としてのNGOの実像に迫る。日本のNGOの実態、NGOの民主政治・メディア・国際法・国際政治との関係。