「グレート生活アドベンチャー」と「ゆっくり消える。記憶の幽霊」の中編2作品。
主人公のどうでもいいようなことへの執着をユーモラスに描いている。
「グレート…」では無職で彼女のところに転がりこんでいる主人公が、
ドラクエ的RPGをステータスも金もすべてマックスな状態にして、
ゲームの中ではなんでもできるのに、実際は所持金もかすかすで、
Gを日本円に換算してみたり、ラスボスの魔王を倒すのに迷いが出てきたりで、笑える。
確かにレベルもマックスで、○〇の種も使ってステータスを上げて、
アイテムもコンプリートしたことがあるが、
あれは達成感などほとんどなくて、あったのは無駄なことをした、
その時間でほかにどれだけ有意義のことができたかと思う気持ちに蓋をすることだった。
この主人公も、どうにもならない自分に、あるとき焦燥感にかられるが、
その解決が亡くなった妹がなしえなかった、親に孫を見せるということ、
なんとも哀れで、滑稽なユーモアさである。