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312 人中、279人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
内容よりも雰囲気を訳した作品,
By ありす (Palos Verdes, Los Angeles) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー) (単行本)
私は現在アメリカのロスアンゼルスの高校三年生ですが、此処では「グレート・ギャツビー」は必修科目です。高校三年の英文学のカリキュラムはアメリカ文学史。ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、スタインベックと進んでいきますが、その中でも一番重点を置かれるのがこの「グレート・ギャツビー」。私が村上訳を読もうと思ったきっかけは、私の英語の先生が「日本で有名な作家のムラカミという人がギャツビーを訳したが、それはとてもいい訳だとウォールストリート・ジャーナルで読んだ。是非読んでみないか?」と進めてきたからです。三島由紀夫を英語で読んでもいまいちなように、フィッツジェラルドを日本語で読むなんて!と最初はあまり乗り気ではありませんでしたが、「ノルウェイの森」や「海辺のカフカ」など他の村上さんの作品は愛読していたので、「まったくイメージが違ったとしても、『村上の作品』として読めばいいかな」と思って注文し、読んで見ることにしました。 原文でかなりの衝撃を受けた私ですが、この訳にはさらなる衝撃を受けたといわざるを得ません。訳が見事なのはもちろんですが、あらゆるギャツビー関連のエッセイを授業で読んだ上で、なんともいえない解釈の深さに驚きました。言語が違ってしまうと醸し出す雰囲気も当たり前のように変わるものですが、村上さんの描くギャツビーは、まさしく僕のイメージのギャツビー、いや、アメリカで学ぶフィッツジェラルドの描こうとしたギャツビーそのものなのです。 ただ単に、筋が通るように語句を並べて訳しているのではなく、フィッツジェラルドの原文に等しい「雰囲気」を作り出すように丁寧に言葉を選んでいるのが伝わってきます。もちろん数箇所は「ここは(作り出す雰囲気が)原文の通りじゃないな?」とか「あれ、此処は意味が隠れているはずなのにな?」と思うところもありますが、それ以外は「もしかしてフィッツジェラルドって日本語も書けたのかい?」と思わず唸ってしまうほどの出来です。 ヘミングウェイやカフカの和訳でよく見られるように、訳された作品には「内容」を重んじたものが多いです。つまり、同じストーリーは伝わるのですが、そこから感じられるイメージ、雰囲気、感情の揺らぎなどはなかなか伝わりません。和訳を読んでから原文を読んだり、その逆をしたりすると「あれ?このキャラクターってこんな風に思っていたんだ」と驚いてしまうことが多いです。 しかしこのギャツビー、全てのキャラクターが、原文と同じように考え、行動し、会話や動きからは原文と同じ雰囲気を作り出してくれます。これはもう、神業です。かなりのギャツビーファンとして、映画版も何バージョンか観ましたが、それよりもこちらのほうがより正しく、よりフィッツジェラルドらしいムードを作り上げてくれます。 原文を読んだことある方も、「いい作品と聞いていたけど、結局は訳だからなぁ……」と悩んでいる方にも、是非是非お勧めです。 唯一気になる点は、「Gatsby」は「ギャツビー」ではなくずっと「ギャッツビー」だと思っていたところですかね。人によって発音は違うみたいです。アメリカでは後者が主流。(笑 以上、文学ヲタによるレビューでしたっ。
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
春樹氏の作品と間違えるほど,
By kazumi335 (東京都町田市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー) (単行本)
良くも悪くも春樹節・・・というか、こういった文学に強く影響され、彼なりに消化して村上春樹という語り手が形成されていったのだろうから、言葉遣い等の表面的・技巧的な部分を除いたとしても、春樹氏の一連の作品と同じ気配があるのは自然な成り行きかも知れません。気になって原文も手にしてみたのですが、言葉のリズムと比喩的・仮定的な描写を使って物語の中の空気感、情景、心理状態の変化、時間的な流れを読み手の心に喚起させる文体は、「村上春樹の骨格をなす何かはフィッツジェラルドから来ているな」と思わずにはいられませんでした。こういう部分には「言語」という違いは関係ないのかも知れませんね。春樹氏の作品が好きな人には文句なくオススメの一冊です。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
よかった,
By Mr.ワン (大阪府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー) (単行本)
今回、2回目で村上版を読んで、やっとこの小説の良さが分かりました。1度目は新潮文庫版を読んだのですが、どうもピンと来ないというか、何を言わんとしているのかが、理解出来ませんでした。村上春樹が絶賛していたので、読んでみたのですが、これがそんなに凄い小説なのか?自分は読解力が無いのか?心配になりました。しかし、訳が合わなかったんだと思いました。元々、村上春樹の長編が好きな方なので、春樹訳のニュアンスなんかも消化しやすかったと思います。一度読んでいるので、話のながれをわかっていた事もあるのかなぁと思いますが、訳し方で違う印象になるんですね。無駄の無い、推敲を重ねた文章だと思いました(エラソウニ)。外国語を知らないものは、原語で読めないので、いろんな訳で読むのも楽しいですね。
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