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出会ってすぐに恋に落ち、結婚式後まもなく乳がんだとわかり、それから壮絶ながん治療が始まった。
まるで出会うことが死に向かい合うこと・・・と絵に描いたドラマのようだが、この本は死を前にしてもその愛の強さは変わらないことを教えてくれる。
ともすれば自らのイメージを崩してしまいそうなほど人間味が溢れるウィルバーのこの一冊は、理論一辺倒だった彼の温かく、また淋しい人間性を克明に表している。
この本を「ラブストーリー」などと陳腐な表現はできない。しかしいまだかつてこれほど美しい男女の愛を描いた本は読んだことがない。
「それまで、馬車馬のように頑張って頑張って、これから、やっと二人で人生を楽しもうとしていた矢先でした。・・・・ようやく今頃になって、我に返り自分を取り戻し始めたところなのです。」目を潤ませて語る姿は、とても頼りなくみえました。
この『グレース&グリット』は人々が「人生の意味」を「愛とは何なのか」を「ガンにかかること」と「その本人を最も愛する人の、本当の気持とは」とを、あたかも自分が体験するように追体験できるのです。そこに見つけた真実は、例えば一生涯背負うつもりで肩に乗せた重い重い「想い」がある人にでも「ほんの少しでも」その「想い」を軽くするほんとうの力を持っています。
この上下に分かれた5年に渡る記録は「ガンへの全ての試みを語りつくした記録」であると同時に、著者ウィルバーとその妻トレアとのあまりにも強烈で、「ありのまま過ぎる魂の葛藤の記録」であり、「闘病記」というところには留まらず死と向き合うことによって「人間はなぜ生まれてきたのか。そしてどこへゆくのか」ということに限り無く近付いていきます。「自我とは何か」ということ、そのことを深く強く求めつづける「祈り」にも似た思いが胸に迫ってきます。
「自分の生を生ききる」には、「治療法」は自分で選び取らなければならない、ということに行き着くなど、とても具体的なことさえもが、「全てが」、示されています。
多元的な洞察力に裏打ちされた記録は、化学療法と放射線療法の本当の仕組みを示し、代替療法による可能性さえも探ることができます。「健康と癒し」の本質、「宗教、心理療法」の本質、そして全編を貫いて「真実の愛」の本質に触れることが出来ました。これこそが、真実の愛だと断言出きる程に。
探し求める先に、われわれ全てがつながっているという確信とともに「理解を超えた世界」へ・・・ついには恩寵(グレース)のもとへと息が止まりそうな感覚とともに入ってゆけました。
「真に人々を救う本」として、ガンにかかった人やその家族だけではなく、「いずれ死にゆく私達」の必読の書だと深く感じました。「どんな状態の中にでも、生きる意味がある」ということを知りました。
その彼女に、「この本」と出会ったことを伝えられるということ、「この本」の存在を教えてあげられるということだけで、とても救われた気持が湧いてきました。すべての人々に「光を意識し生きること」を強烈に教えている唯一の本だと思いました。
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