グレース・ケリーの数少ない伝記の一冊です。グレース・ケリーといえば、ハリウッドの映画スターであり、後にモナコのレーニエ大公と恋に落ち、結ばれ、グレイス王妃となったシンデレラストーリーの体現者として有名です。非の打ち所のない美貌を備え、人間離れしたマネキン人形のような容姿が近寄り難さをかもし出すグレース・ケリー。内面は、エレガントであり、淑女であり、貞操であり、控えめであり、優しく、男を立てる、といった世の女性のお手本のような女性像のイメージがある。この伝記は、そんなグレースの素顔を暴き、ファン達に真実を教えてくれる。良くも悪くも、真実を叩きつけられる。映画で見るグレイスとはかけ離れたグレイスを知って、私はまだファンでいられるか心配になった。だが、偶像崇拝を続けることにした。幼少時代に家族に愛されず孤独だったグレイス、孤独を癒す為に男達を渡り歩くグレイス、映画界に飛び込むグレイス、父親に愛されなかったコンプレックスを、年上の男性に求めるグレイス、モナコ王妃になり、やがて映画で言う悲劇に向かうのだった。伝記は必ずしも真実を伝えない。ショックをそれ程感じなくてもいいのかもしれない。