録音はかなり早い時期に行われていて1960年のようだ。グールドはピアニストなので当然この演奏には参加していないが、随所にグールドらしさがあり、その上なんとなく20世紀の作曲家らしさを感じる『作品1(Op.1)』だ。
グールドほど他のピアニストがなんと言おうと(例えば、リヒテルがグールドの弾き方にちょっかいを出そうと)、高名な指揮者が何を言おうとも(例えばジョージ・セルをピアノの椅子の調整を30分以上ライヴでやって激怒させたのは有名だ)、自分の世界を着々と録音していったアーティストはいないだろう。『運命』や『田園』のリスト編曲のピアノ演奏やワーグナーのピアノ化ぐらいでは止まらず、ありとあらゆるタブーに挑戦したのがグールドだった。だから自作をこういった形で残す行為もいかにもグールドらしい。
結構傑作である。こういう自作もので僕が気に入っているのはこの作品とキース・エマーソンのピアノ協奏曲第一番だ。