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商品の説明
メディア掲載レビュー
ピアニスト、グレン・グールドによる2006年録音盤。本作はハイブリッド盤。グールドゆかりのCBCスタジオにて生演奏、それをリアルタイムでDSD録音。 (C)RS
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最も参考になったカスタマーレビュー
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:CD
これは、グールドの1955年盤が、どうしてもあの速いテンポと、それに追い打ちをかける録音の悪さ(デッドで、広がり潤いがなく、固い、ざらつきやうなり声・・)で、なかなか受け入れられない方にはオススメである。
わたしも、1981年の再録音盤は大好きだが、旧録音はどうしてもついて行けなくて、困っていたのである。
ところが、この演奏で聴くと、きれいさっぱり、録音の悪いというモヤモヤが晴れて、まさに名演だということがハッキリ認識できた。しかも、演奏者の位置で録音したものがついているので、2回同じ演奏を聴けるというのも、本当に長くこの曲に浸っていたい時には助かりますね(勿論、イヤホンで聴くときは・・と区別すれば尚更ですが、それほどの違いはないように思います)。
なぜ、このような録音がされたのか?色々と理由はあるのでしょうが、やはり、この演奏の録音が、ピアノとしてもあまりにも良くないので、デジタル新録音で聴きたいとう願望、欲望を持った人が大勢居た!ということではないでしょうか?
グールドの素晴らしさを再認識させる、新録音だと思います。
16 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:CD
今の時代を象徴するかのようなこの試みは、どこに重きを置くかで評価が分かれるだろう。ただ、このような試み自体を私は否定しないし、むしろこれはグレン・グールドが不世出のピアニストであったことを私たちに再認識させるに足るものだと思う。
とはいってみたものの、私自身は当初このCDに否定的だった。半年前、このCDのことをどこかで聞き、やはり無視できずに購入したのだが、正直言って肩すかしをくらったような感じがして、そのときは最後まで聞き通すことができなかった。それは本物のグールドの音に慣れた私の耳は、結局のところグールド自身が奏でたのではないこのCDの音を拒否したからだろう。
とはいえ、否定・批判するにしても、もう一度しっかり聴いた上で断罪してやろうと考え、数日前に再聴した。驚いたことに、今度はグールドらしさのほうが優っているように聞こえ、いつのまにか最後のアリアまで聞き通してしまった。それが本当のグールドの音ではないということを承知したうえで、むしろステレオ化された躍動感にあふれる音に敏感に反応したのだと思う。自分でも戸惑ったが、私はもはや否定する気にはなれなかった。グールド自身の「声」が不在なのも特に気はならなかった。日本版の解説で宮澤淳一も書いているように、これは「リズム、強弱、アーティキュレーション、装飾法、ペダリングなど、(中略)グールドの弾き方を詳細に書き込んだ楽譜がそのまま音になったようなもの」であり、私のなかで起こった変化はこのことを認識できた瞬間だったといえよう。
結論として、本当のグールドの音ではないという意味ではこの試みは「なし」なのだろうが、しかしこの時代にグールドのデビュー盤がステレオ化されて蘇ったという解釈を採用すればこれはむしろ「あり」だと思う。
46 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:CD
2007年はグールド没後25周年にあたり、55年盤についても、紙ジャケ盤や疑似ステレオ
盤の発売といった企画がなされているが、その中でも本作はグールドの演奏をコンピュータ
解析し、自動演奏させたものを録音するという、きわめてユニークな試みである。
当然ながら、独特のフレージングはステレオ化されることでより明瞭になった。また、
聴き手のリスニング環境を考慮してか、様々なバージョンで録音されているのも現代的で
ある。
もちろん、オリジナルの55年盤と比べると、使用しているピアノも録音場所も異なるため、
永くオリジナルに親しんだ者には強烈な違和感を感じることであろう。音像に関しては、
全体的に音がまろやかで、一音一音の切れを求めて調整されたグールドのピアノの面影
はほとんどない。音像の問題に加え、何よりグールドの「気配」(ハミングや足踏みなど)
が存在しないなか、ただ音だけが鳴り響くのを聴く行為は、新種の恐怖体験ともいえる。
とはいえ、テクノロジーの進歩があってこそ、こうした体験ができるのであって、
オリジナルと比較すること自体がナンセンスなものと割り切られれば、ゴールドベルク
変奏曲の録音に新たな1枚が加わったという観点で純粋に楽しむことが出来よう。
何より、グールド自身が論文『レコーディングの将来』(1966年)で指摘した「創造的
聴き手」の役割をZENPHが果たした「作品」として、本作はグールドの録音群の中で記憶
され、グールドが目論んだ「作曲家と演奏家と聴き手の分離」を廃れさせること、ひいては
「芸術とは何か?」という根源的な議論を生むものとなるであろう。
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