プーリップとしては初めての購入となる(ダルやテヤンも持っていない)。
それほどまでに、このドールには魅せられたのだ。
いわゆる日本風の「萌え」を意識せず、『吸血姫』のコンセプトを存分に表現
したデザインが実に魅力的である。我々が吸血鬼に抱くイメージに忠実すぎる
気もするが、それをそのまま形にしたようなその姿は、人のいにしえよりの恐
怖、そして憧れに訴え得るものがある。
顔立ちはなかなか整っており、白い肌、目の周りの微妙な陰が雰囲気を醸して
いる。
まぶたを閉じることも、瞳を動かすこともできるのがまた良い。瞳を右か左に
寄せてやると、このドールの妖しさが更に引き立つようだ。ただし、それらを
操作するスイッチが見た目を損なっている。もちろん普段は髪で隠れているの
だが・・・プーリップ全般のヘアスタイルにボリューム感があるのはそのため
なのか。
ドレスもなかなか手が込んでいる。(生地の質はどうあれ)ゴシックの豪奢な
装いの見事さには、手持ちの『えっくす・きゅーと』が着ているゴスロリ服が
何とも貧弱に見えてしまったほどだ。
このように全体としては素晴らしいだけに、細かい点での質の悪さが何とも残
念でならない。
何をしたわけでもないのに、梱包を解いた直後に何本かの髪が落ちた。そうい
う弱い素材なのか、工程上の不手際か。しかも髪とはまったく別の糸(ウィッ
グを縫っているものか)が長く垂れ下がっていた。・・・大丈夫なのか?
髪飾りは付け方が分からない上、糸を全部外すと分離してしまった。糸で留め
てあるのが仕様だとしても、黄金色の髪に黒色の糸はあるまい? 髪の色に近
い色の糸で留めてあれば目立ちにくいし、間違って切ってしまうこともなかっ
ただろうに。
ドールスタンドの説明書きも、「台座に柱を差し込む」という誰でも分かりそ
うなことは書いていながら、ドールのどの部分にかませるといいのかは書かれ
ていなかった。これでは初めて扱う方々が迷ってしまうだろう。
靴は両面テープで貼りでもしないと固定できそうにない。ネックレスはウェブ
上の画像に比べて長さが足りず(画像のものが撮影用のサンプルとはいえ)、
留め金も大きく感じられる。
神秘にして高貴なる闇の姫に粗の数々とは、無粋にもほどがある。
日本のユーザーの目は厳しいのだ。質に対する不満がくすぶったままでも熱烈
なファンはついてきてくれるだろうけれど、それに甘えることなく質の向上を
目指していただきたいものである。
苦言を呈しもしたが、そうした質の問題を除けば、期待通りの魅力あるドール
だった。
髪留めのことなど幾つかの難点を解決でき次第、どこか良い場所に永く飾って
おきたい。彼女にその妖しげな眼差しで見つめられ続ける(私が見るのではな
い!)のもなかなかの趣向であろう。