平易な言葉で「グループ経営」の本質を語る名著。池上氏のニュース解説ばりにわかりやすい。
経営とは何か、企業価値とは何か、なぜ日本企業に閉塞感が強いのかといった論点を整理しつつ、グループ経営の果たすべき機能が「見極める力」「連ねる力」「束ねる力」の3つに整理されています。特に「見極める力」を扱った約100頁分はコンパクトでわかりやすい「経営戦略」と「コーポレートファイナンス」の入門となっており、この部分だけでも2,000円分の価値が十分にあると思います。また、「連ねる力」のM&Aにつての記述、「束ねる力」のダイバーシティについての記述は、本質を突いた指摘で示唆に富んだ内容と感じました。
想定されている読者層は、若い頃、キャッシュフロー経営、企業価値経営といった概念に触れること無く経営層になられた方で、そうした方たちの感じ方や返ってくるであろう反論などを踏まえながら、噛んで含めるようにして本質的な議論を丁寧に展開しています。
目下、経営企画部で仕事をしている身としては、「武器となる言葉」をたくさん吸収させていただきました。「本社の果たすべき機能とは何か?」と尋ねられても自信を持って即答できないと仰るすべての方にとって手に取る価値のある本だと思います。