本書は、グループインタビューの実施手順となる良書である。好ましい点は、手順が詳細に示されている点、データ分析が仮説の検証に向いている点であり、好ましくない点は、検討結果の全体像がつかみ難く、KJ法を合わせて検討する必要がある点である。
グループインタビューは、十分に理解しないと難しい手法である。仮に意図を不明確にしてインタビュアーを集めると、散漫な会議となる。グループインタビューは、その手順や目的、分析方法、結果の表現方法などを適切に行わなければならない。
本書の実施手順は、実務で使えるほど明瞭である。本書を読むと、実施手順として、調査趣旨の明確化、目標の確認、司会の手引き、グループの諸設定などをあげており、その記述は詳細である。書かれている内容を適切に実行すれば、GI非経験者でも、それなりに対応が可能であろう。
データ分析は、状況把握に役立つ。本書データ分析手順は、初めに会議の発言録を、適当なセンテンスにより、キーワード化し、次にそのキーワードを、仮説に基づき並べなおし、その結果、仮説の検証を行えることを示している。分析も手順どおり実行すれば、それなりに対応が可能であろう。
本書の弱い点は、データ分析が全体像をつかみ難い点である。データ分析は、グループインタビューの全体像をつかむには問題がある。そのためデータ分析をする場合は、川喜田二郎の「続・発想法」を活用することをお勧めする。