デンマークの国民学校(フォルケホイスコーレ)の設立者にして、詩人、政治家、牧師であった19世紀デンマーク復興の父、ニコライ・フレデリック・グルントヴィ。本書は、日本ではなかなか資料が手に入らないこの偉大な教育者の、その生涯と思想、業績などを知ることができる貴重な一冊です。サブタイトルからして、専門的で難解な論文ものなのかと危惧していましたが、ぱらぱらと読んでみて安心しました。確かに入門書と言うには敷居が高い印象とはいえ、私が知りたかったグルントヴィの生涯や思想はばっちり書かれており、また読みたかった彼の詩作品も多く引用されていました。
一人の人間としての、デンマークの息子としての、牧師としての、教育思想家・実践家としての、そして吟唱詩人としてのグルントヴィと、様々な側面から包括的に研究がされている良書です。
本書は読書ビギナーをしり込みさせる「1ページに2段印刷」ですが、本文は250ページ程度ですし、文字もそんなに細かくはないので、読み始めると意外にすっと完読できると思います(内容をしっかり把握するには精読・再読が必要なのは当然ですが・・)。
グルントヴィ思想の継承者である大教育者、クリステン・コルの本も併せて読まれることをお勧めします。