おそらくシリーズ化を構想していたと思われる、鬼才 栗本薫のおしゃれなグルメ・ミステリー。新書版みかえしページの和服の著者近影がすっごく可愛いですね(笑)
自分はこの作品が好きだったのですが、謎解きの部分で「ああこれはシリーズ無理だろうな」と思いました。グイン・サーガでやらかしたのと同じ問題を含んでいたからです。グインで訴訟にまでハッテンしたアレですね…もしそれが原因なら残念なことです。こんなに気軽に読めるミステリーはないのに。
探偵役の超絶ジャンボなオバサン(失礼!)も、ワトスン役のヒロインも、垢抜けていて都会的でなーんも考えてないし(笑)、登場人物もある種の仮面劇のように名前と仕事と性格が見事に一致していてするする読み進むことができます。
そして現代の病理(苦笑)を喝破しつつもひたすら軽くオシャレに「何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ」を実行する都会的な人々。
この本と、「くたばれグルメ」と「アマゾネスのように」とを続けて読むと作家の心の変遷がよくわかると思います。
都会に生きる者すべての哀しみをあでやかに描写しています。