本書の主張は、タイプ論からはいっていき、独自の世界観を述べていきます。
しかし、本書で、実際に何かよい方向に、変化を起こすための実践的な何か
があるかというと疑問に思わざるを得ません。
単に読書の楽しみとしてとらえるのが無難でしょう。
グルジェフの思想、ワーク、エクササイズについては直接の著作、講話の記録
で知ることができます。「実際」とはかけ離れた記述に満ちています。
特に危険なテクニックが書いてあることもきにかかります。グルジェフはけっして
教えなかったテクニックです。なぜそのようなものが書いてあるのでしょうか。
なにかあったら、どのように対処すればいいのでしょうか。
どこか相談窓口でもあるのでしょうか。疑問に感じざるを得ません。
著者名が「セリム・エセル」と表記されていますが、「エセル」の元のつづり
からするとフランス語の発音はアイセルです。(iのうえにトレマがあります。)
フランスで活動している人の名をあえて英語発音にする必要は無いでしょう。
本書はフランス語版を英語に訳したものを元にして、日本語に翻訳していると
いう重訳の背景がありそうです。
また漢字にカタカナのルビが振ってあるのですが、日本語の読みではなく、英語
のような言葉です。たとえば「必要」に「ニーズ」とか。特にそういった
専門用語があるわけではないし、必要も無いはずですし、しかも原語は英語では
ないでしょう。こういったところは再考してほしいです。