REMの制作した全作品中での最高傑作として推したいライブフィルムです。REM以外のロックバンドについても数多のライブ映像を観てきましたが、その中でも最高の作品と断言できます。コンサートライブものは本当に難しくて、ただ撮っただけでも駄目だし、技術に頼って適当に編集してもいけない。しかし、本作はかなりの編集を施しつつコンサートの雰囲気を残すことに成功した稀有の作品です。暗めのカラーと白黒を基調とした全体にざらついた画質、動的なカメラワーク、演奏に同じ曲のいくつかの異なる映像をコラージュしたセンスが出色で、比較的生撮りに近い”Road Movie”と比べると臨場感の違いが逆説的で面白い。また演奏の質も申し分ないものだ。
挨拶がわりにトップ10ヒットの二曲(Stand、The One I Love)を巻頭に配した選曲、目の下に黒いメイクを施したスタイプが時に牧師のように(The World Leader Pretend)、束ねた長い髪を振りながら妖しげに裸体をくねらせ(Pop Song 89, Fall On Me)、有名になったシャドーボクシングパフォーマンスも披露(It's the end of....)しながらステージでのカリスマぶりをいかんなく発揮する様を観る事ができます。最後の曲が終わり、肩を抱き合いステージを去っていく幸せそうな四人に、当時のバンドの充実ぶりが窺えて、「いいものを観た思い出を胸に家路につこう」そんな気分にさせるほのぼのとしたエンディングも感動的である。実際に観たライブを彷彿とさせる傑作!!