冒頭、すでに新しいタイプのギャングの時代になっているが、そこに「従来型」のギャングのチェドノフスキー(クリストフ・ヴァルツ)があらわれ、洒落たネクタイ姿のニューウェーブギャングがヴァルツに向かって、「黒づくめじゃなくて、もっとカラフルなかっこうをしろよ」というところからして、つかみはOKです。(笑)
クリストフ・ヴァルツは、タランティーノの「イングロリアス・バスターズ」で「ナチのドイツ人」の役でしたが、本作では「ロシアマフィア」。楽しそうに演じています。
60年代のTVドラマの、若きブルース・リーの伝説的な人気はさておき、本作でカトーを演じるジェイ・チョウは、悪くないです。おバカ社長ブリットとのデコボコぶりがより際立っています。ブルース・リーが実力を持ちながら、どこかで一歩も二歩も引き、ブリットを立てていた。これが、本作では、むしろ主演はジェイ・チョウなのだ。
彼は、中国語の音楽圏ではすでにポップスターらしい。エンディングで使われている「ヌンチャク」(←なんて題名だ!)という歌は彼が歌ってます。
ブリットとカトーは、主従関係とも、対等な相棒とも、ましてやライバルでもない、微妙な関係。カトーが全面に出て、ブリット・リードが、どちらかというとボケ役。
「相棒のいるスーパーヒーローの物語」ではなく「スーパーヒーローの真似事をする、イカれた2人組の物語」として十分成立しています。妙にシリアスになったり、暗くならないところが、この映画の最大の魅力。
脚本も書き、制作総指揮もし自ら演じているセス・ローゲンは、このことを百も承知でおバカ役を演じています。自分の製作する作品でバカ役を演じられるのは、したたかな奴に決まっていますがね。(笑)
ストーリーが相当進んだところでいきなりキャメロン・ディアスがあらわれます。このひとは、もともとオバカ映画が好きですが、もう一人の重要なキャラとして秘書役をノリノリで演じてます。これも悪くないです。
あと、個人的には、ちゃんと60年代のTV版のテーマ曲がかかることもうれしかったです。