この本でいいたいのは日本がアメリカに比べてどれくらい遅れているかということです。それは実質的な環境政策が遅れているのではなく、長期的な視点、自動車産業から環境産業へのパラダイムシフトに対するビジョンが明確でないまま現在の転換点を迎えてしまっているということだと思う。
内容は、09年3月19日にNHKの特集番組『グリーンニューディール』の内容を本にした感じ。その番組には日本総合研究所会長 寺島実郎氏、環境エネルギー政策研究所所長 飯田哲也氏の両氏が出演されていて、本書でもコメントをしています
前半の7章は主にアメリカの政策について、後半は日本の政策の遅れについて書かれてあります。
アメリカについていろいろな事例が書かれてありますが、一番重要なことは、アメリカが
・2015年までに100万台のプラグインハイブリット車を走らせる
・2050年までに温室効果ガスを90年比で80%削減する
・環境に優しいエネルギー技術の発展に10年で15兆円を支出する
と宣言していることだと思う
それに対して
・経産省、環境省、農水省など省庁縦割りの壁が厚く、連携を図れない日本
「新エネルギー社会推進室」を独自に設置する経産省
「日本版グリーン・ニューディール」を打ち出す環境省 などなど
・固定価格買取制度導入を突然発表した経産省
・技術力はあるのに国内にマーケットがあまりなく、なかなか成長しない風力メーカー
・風車を建てたいのに買い取り価格が上がらないためあきらめざるを得ない自治体
といったように日本の空回りした政策が書かれてありました。
終わりに飯田氏はこう述べています
「自然エネルギー部門はここ数年の伸びは年率60%、年間15兆円規模の産業になっている。今後10年余りの間に自動車産業に追いつき、追い越す勢いである。」
日本の政治的リーダーシップを発揮して政策を進めないと、産業の大きな転換点において、世界でイニシアティブをとることができなくなってしまうと感じた1冊でした。