英国屈指のPop Duoとしてユーモアとエスプリとシリアスが交差し、凝りに凝った
音楽ながら耳の方にはスッと馴染む曲作りをしていた彼らも音沙汰が無くなり、
引退したかと思っていましたが、本当に久しぶりに今回の新譜に出会いました。
もう昔の音は流石に聴けないだろうと思いながらも、懐かしい名前なので聴いて
みましたが昔と変わらぬ音でびっくり。幾つか印象に残った曲は…
Jupiter Rising
曲作りのインスピレーションが何処から来るかを唄った曲で、18年待った新譜の
1曲目にこんな曲を置くのは流石。曲の方もこれぞStewart & Gaskinの真骨頂の
明快なPops。ホルストも「Jupiter, the Bringer of Jollity」って作曲してたっけ…。
Let Me Sleep Tonight
アパートに住んで隣の騒音で眠れない、よくある迷惑から生まれた美しいバラード。
Green and Blue
森と水、太陽が照らす光溢れる世界、恋人を見つめる瞳に宿る輝きにも似て、と
"自然"と"愛"を対比して「Burning bright as lover's eyes」の一節の繰り返しも
印象的な、Celt合唱隊も参加した雄大なStewart & Gaskin風World Music。
Any Guru
胡散臭いカルト団体の管主とか教祖、開祖、導師とか名乗る方々にどう聴こえる?
Rat Circus
中間搾取でミュージシャンにたかる音楽業界の体質を皮肉っています。曲途中で
Three Dog Nightが芸能人の苦悩を唄った"The Show Must Go On"のイントロでも
使った 「The Entry of The Gladiators」のフレーズが飛び出すのは御愛嬌。でも
分かって聴けばニンマリですね。
なにしろ18年ぶりの新譜で60歳近いStewart & Gaskinのお二人、もっと枯れた
渋いジャスバラードとかフォークといった、大人しい路線なのかなという先入観は
見事に裏切られました。
張りの有る艶やかなVocalも曲の転調やテンポがひねくれまくったアレンジも
昔と変わらずに冴えまくって嬉しくなります。「British Rock's Never Die ! 」と
言わんばかりに若々しさと力強さがみなぎっているこのAlbum、間違い無くこれからも
愛聴盤として聴き続けます。