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類書が少ない中で、市場の歴史、特徴、使い方、各種コストなどが解説されている本書の価値は高い。未上場企業のオーナーや財務担当者、グリーンシート公開候補となりえる企業を顧客に持つ会計士や税理士、また銀行、証券、ベンチャーキャピタルといった金融機関関係者にとっては、ぜひ身につけておきたい知識である。必要となる開示書類や、株式公開・維持コスト、公開のメリットについて事例を交えて説明されている点が実用的。さらに、他の資金調達手段との比較や、グリーンシート市場を活用した新株予約権付融資の説明もあるので、グリーンシートに行くか、銀行借り入れ、私募債発行、ベンチャーキャピタルから出資といった従来の手法を比較検討しているならすぐに実務に役に立つだろう。
また、グリーンシート企業や未上場企業ファンドへの投資を考えている投資家にとっても、ハイリスクながら長期保有を前提としている市場の性格と、審査の内容を知ることができるので一読の価値がある。
さらに、冒頭で早わかりマンガを利用してグリーンシートの大まかなイメージをつかめるようにしてあったり、現在の公開企業の情報一覧があったりと多目的に使える工夫があって便利。――2003年11月(河野幸吾)
日経BP企画
著者はディー・ブレイン証券社長。同社は日本証券業協会が、未公開企業の株式を売買するために、1997年7月からスタートさせた証券市場「グリーンシート」に力を入れ、中でも成長企業向けの銘柄区分である「エマージング区分」を専門としている。本書は30年ぶりに異業種からの参入となったディー・ブレイン証券誕生の成り立ちやその後の奮闘を交えながら、グリーンシートの仕組みや株式公開の手続きなどを解説する。
グリーンシートは顧客、取引先、社員の知人・友人・親戚など身近な温かい株主を募る「拡大縁故募集」を特徴とする。グリーンシートでの公開は企業にとって、知名度・社会的信用力の向上や組織の活性化などにつながり得る。役員・社員間に公開企業としての意識が生まれ、株主に対する責任感が高まるなど、一般の証券市場上場に向けた準備市場としての機能もある。
グリーンシートに参加する投資家の95%は、これまでの証券市場での投資経験がない。グリーンシートは新たな投資文化を築き、直接金融の裾野を拡大する存在と言える。著者は今、日本経済に求められているのは、幅広く、多くの企業に資金を供給する真のインフラとしての証券市場だとして、グリーンシートの重要性を指摘している。
(日経ビジネス 2003/10/06 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)
内容(「BOOK」データベースより)
著者からのコメント
グリーンシートは株式の売買を目的とした証券市場ではない。会社を応援する株主を証券市場を通じて募集する中小企業・ベンチャー企業の新たな資金調達システムだ。筆者が「拡大縁故募集」と呼ぶ新たな株式募集方法が、敷居の高かった証券市場への株式公開を一気に中小企業に近づけた。
本書は、日本経済の成長を担う中小企業の経営者・財務責任者、また、中小企業を支える身近な専門家である税理士・公認会計士、さらに中小企業への資金供給の担い手である金融関係者の必読の1冊と言えよう。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1961年静岡県生まれ。慶応義塾大学経済学部卒。公認会計士。太田昭和監査法人(現:新日本監査法人)を経て、93年に(株)ディー・ブレインを設立。97年には30年ぶりの新規参入となったディー・ブレイン証券(株)を設立。全国の公認会計士をネットワークした日本初のIPO(株式公開)専門証券会社として、グリーンシートでNo.1の地位を確立して話題を呼んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)