シュトロハイムと言えばサイレント時代から活躍している人物。
名作「大いなる幻影」や「サンセット大通り」に出演している俳優として有名です。
後半は俳優しかしていないわけで、よほど興味がある人以外は彼が監督をした作品を観ようと思わないのかもしれません。
個人的には、シュトロハイムはサイレント時代屈指の監督だと思っています。
当然だ!と叱られるかもしれませんが、他の大監督の作品群が結構DVD化されているのに、シュトロハイムの監督作品は代表作「愚なる妻」と「グリード」のみしかDVD化されていません。
シュトロハイムの監督作品はどうやら8本ほどあり、ほとんどが日本でも公開されていたようです。
是非どこかでDVD化してもらいたい(紀伊國屋さーん、お願いできませんか?)。
さて、この「グリード」、とんでもない作品です。
だいたい、完成時は9時間あったらしく、映画会社に強制されて100分まで短縮。
オリジナルは当然見ることができません。
事実上、この作品でシュトロハイムは干されたとのこと。
この作品に「狂気の」とか「呪われた」とかいう言葉がつくのはそのせい。
人間の臓腑をえぐるようなテーマ性と描写。
最後の砂漠でのシーンは、人間の荒涼とした欲望を、ドライにかつリアルに、そしてシビアに表現しているように思います。
これほど救いのない映画、凄まじいまでのリアリズムに貫かれたサイレント映画は、他に知りません。
一番好きなサイレントは?と聞かれたら迷いますが、一番凄まじい映画は?と聞かれたら、間違いなくコレを挙げます。
さて、これほどの映画なのですが、やってくれています、IVC。
酷すぎるプリント。
まさに救いがない。
本当は、サイレントのファン以外にも見てもらいたいと推薦したいところなのですが、何しろストレスが大きすぎます。
作品自体は最高ですから、観るときには状態を覚悟して観てください。
見る価値はあると思います。