ポーランド生まれのピアニスト、エヴァ・ポブウォッカのCDでは、『
ショパン:ノクターン(全曲)』が忘れがたい深い味わいを持つものでしたが、グリーグ(1843-1907)の没後100年を記念して2007年に発売されたこの3枚組CDも、聴きごたえのあるものでしたね。
透明感のあるピアノの音色がまず、素敵です。作曲家グリーグの人生、その折々の心象風景を描いたスケッチ音楽集ともいうべき小品の数々。寄り添うように奏でてゆくピアノの音の、宝石の輝きにも似て美しかったこと。
簡素なたたずまいの曲を、慈しむように、心をこめて歌い上げていく演奏の風情、清やかな演奏の風合いもいいですねぇ。生命感にあふれたリズミカルな曲は、ひときわ生き生きと弾み、静けさをたたえた曲は、心にしんとしみる味わいがあって・・・。魅了されました。
20代前半に作曲された「第1集」から、58歳の頃に出版された「第10集」まで、作曲家の生涯にわたって書き紡がれた『抒情小曲集』。全部で66のピアノ曲のなかでは、格別、次の10曲が印象的だったな。キラリと光る輝きを感じまして、心にそっと、しまっておきたくなりました。
『第2集』〜「子守歌」。『第3集』〜「故郷にて」「春に寄す」。『第4集』〜「ハリング(ノルウェー舞曲)」。『第5集』〜「小人の行進」「夜想曲」「鐘の音」。『第6集』〜「郷愁」。『第7集』〜「家路」。『第10集』〜「昔々」。
録音は、2004年の3月から2005年の6月にかけて。ポーランドのビドゴシュチ(ワルシャワの北西、約200kmに位置する都市)、Filharmonia Pomorska Concert Hall にて。